5.5.2 基準巻尺の確認
5.5.3 アンカーボルトの設置等
5.5.4 基礎天端及び柱底均しモルタルの仕上げ
5.5.5 建方
5.5.6 建方精度
5.5.7 接合部の工法
5.5.8 接合金物の工法
5.5.9 釘及び木ねじの工法
5.5.10 各種ボルトの工法
5.5.11 ラグスクリューの工法
5.5.12 ドリフトピンの工法
5.5.13 木だぼの工法
5.5.14 養生
5.5.1 材料の搬入
(1) 材料の搬入及び集積に当たり、部材への損傷及び雨掛りがないように留意する。
(2) 搬入日は、原則として、建方を行う日とする。
(3) 加工材は、搬入後建方前に、寸法及び含水率について、監督職員の検査を受ける。
なお、含水率の測定は、4.1.4[含水率の測定]による。
5.5.2 基準巻尺の確認
(1) 木材等の加工工場用巻尺は、JIS B 7512(鋼製巻尺)の1級とする。
(2) 木材等の加工工場用巻尺は、工事現場の検査に用いる基準巻尺と照合して、その誤差が工事に支障のないことを確認する。
5.5.3 アンカーボルトの設置等
(1) アンカーボルトの埋込み深さは、特記による。
(2) アンカーボルトの保持及び埋込み
(ア) アンカーボルトの保持は、形鋼等を用いて正確に行い、移動、下部の振れ等のないように固定する。
(イ) アンカーボルトの保持及び埋込み工法は、表5.5.1により、種別は特記による。
(ウ) アンカーボルトの埋込み位置の許容誤差は、特記による。
特記がなければ、JASS6付則6[鉄骨精度検査基準]付表5[工事現場](3)に基づき、±5mmとする。
(3) アンカーボルトの頭部に衝撃を与えたり、ねじ山を損傷したりしないようにする。
(4) アンカーボルトと土台との緊結は、柱の引抜き応力によって土台のせん断力及び曲げ応力に抵抗するために必要な大きさの座金を用い、座金とナットが十分に締まり、かつ、ねじ山が2~3山出るようにする。
5.5.4 基礎天端及び柱底均しモルタルの仕上げ
基礎天端及び柱底均しモルタルは、次による。
(ア) モルタルの材料は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」15.3.2[材料]により、調合は、容積比でセメント1:砂2とする。
(イ) 無収縮モルタルの適用は特記による。
(ウ) モルタルの厚さは、特記による。
(エ) コンクリートの表面は、レイタンス等を取り除いたのち、目荒しを行う。
5.5.5 建方
(1) 加工材等の吊上げには、加工材等を保護するために、布帯等を用いるとともに、吊上げ位置には必要に応じて、保護治具を用いて傷などが付かないように、吊上げ作業を行う。
(2) 建方中の軸組架構に、材料、機械等の重量物を積載する場合や、特殊な大荷重を負担させる場合は、補強の要否等の必要な検討を行い、検討結果を監督職員に提出する。
(3) 建方に当たり、十分な能力を有する機器を用い、その設置、整備及び運転を適切に行う。
5.5.6 建方精度
(1) 建入れ直し後の建方精度の許容値は、特記による。
特記がなければ、垂直、水平の誤差の範囲を1/1,000以下とする。
(2) 建入れ計測は、次による。
(ア) 土台据付け時の水平精度並びに柱、桁及び梁の組立時の水平・垂直精度等を工程の各要所で、適宜行う。
(イ) 計測は、垂直定規、下げ振り等の道具を用いて、適切な方法で行う。
(3) 建方精度の確認は、建入れ直し後に行い、監督職員の検査を受ける。
5.5.7 接合部の工法
(1) 接合部に木組みのため、欠き込みを行う場合は、位置と大きさに注意し、部材の構造性能を損なわないようにする。
(2) 接合部の取付けに当たっては、緩みなどが生じないように、締め付ける。
(3) 木組みによる接合をする場合は、その部分に作用する応力を安全に伝達できるようにする。
(4) 構造材を接合する釘及び木ねじの種類、本数及び間隔は、特記による。
(5) 構造材を仕上材として用いる場合の接合部は、傷がつかないように注意し、接合部からの雨水等の侵入により、よごれ、しみ等が生じないように配慮する。
5.5.8 接合金物の工法
(1) 接合金物が2つ以上重なり合う場合又は面材の取付けに必要な場合の木材への彫り込みは、特記による。
特記がなければ、接合金物の厚さだけ木材を彫り込む。
(2) (公財)日本住宅・木材技術センターが規定する接合金物を用いる場合の取付け方法は、規定の仕様による。
(3) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用する接合金物の取付け方法は、特記による。
(4) 熱橋を形成する位置に設置する接合金物は、結露を防止できるよう簡易発泡硬質ウレタンフォーム断熱材、埋め木等により断熱する。
また、簡易発泡硬質ウレタンフォーム断熱材は、市販品とし、JIS A 9526(建築物断熱用吹付硬質ウレタンフォーム)に基づき、ホルムアルデヒド又はフロン類を用いていないものとする。
5.5.9 釘及び木ねじの工法
(1) 部位ごとの釘の種類及び釘打ちの間隔は、特記による。
(2) 釘は、材の繊維に対して乱に打ち、割れを生じないよう配慮する。
(3) 構造材を仕上材として用いる場合の釘打ちは、隠し釘打ち、釘頭埋め木、つぶし頭釘打ち又は釘頭現しとし、適用は特記による。
また、木ねじの留付けは、木ねじ頭埋め木とする。
(4) 木ねじのねじ込みは、適切な道具を用いて行い、ハンマー等により打ち込まない。
5.5.10 各種ボルトの工法
(1) ボルトの種類、径、本数、間隔及びボルトに応じた座金の大きさ等は、特記による。
(2) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(3) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、ねじの損傷、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(4) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(5) ボルト長さは、首下長さとし、ナットの外にねじ山が2~3山以上出るように締め付ける。
(6) ボルトは必要に応じて木部の彫込みとし、表面より沈める。
(7) ボルトの締付けは、座金が木材等へ軽くめり込む程度とし、過度に締め付けない。
また、1群のボルトの締付けが一様となるように行う。
(8) 工事中、木材の乾燥収縮等により、緩んだナットは、緩みのないように締め直す。
(9) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用するボルトの取付け方法は、特記による。
(10) 締付け用機器は、ボルトに適したものとし、よく点検整備されたものを用いる。
5.5.11 ラグスクリューの工法
(1) ラグスクリューの形状及び寸法は、特記による。
(2) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(3) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、ねじの損傷、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(4) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(5) ラグスクリューの締付けは、スパナ、インパクトレンチ等を用いて、必ず回しながら行う。
また、たたき込みによる挿入は行わない。
(6) 締付けは、ボルト頭が密着し、座金にボルト頭の傷がつく程度まで行う。
ただし、過度に締め付けない。
(7) ねじ込みが困難な場合には、スクリュー部に潤滑剤や石けんを用いて摩擦抵抗を小さくする。
(8) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用するラグスクリューの取付け方法は、特記による。
5.5.12 ドリフトピンの工法
(1) ドリフトピンの径は、特記による。
(2) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(3) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(4) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(5) ドリフトピンは、たたき込みによりピン孔に挿入する。
(6) ドリフトピン径と孔径が不良のものは、孔径を調整後、ピンを挿入する。
(7) 添え板側材を用いて接合する場合は、側材が脱落しないよう、必要に応じて固定する。
(8) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用するドリフトピンの取付け方法は、特記による。
5.5.13 木だぼの工法
(1) 木だぼは、せん断接合具として用いる。
(2) 木だぼ径は、特記による。
(3) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(4) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(5) 木だぼは、たたき込みにより、木だぼと同径の孔に挿入する。
5.5.14 養生
工事中に汚染や損傷などのおそれのある場合は、適切な方法により養生する。
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