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3節 シーリング/11章 防水工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

11.3.1 一般事項

この節は、不定形弾性シーリング材 (以下「シーリング材」という。) を用い、部材の接合部、目地部の充填等のシーリングに適用する。

11.3.2 材料

(1) シーリング材は、JIS A 5758 (建築用シーリング材) による。
なお、有効期間を過ぎたものは使用しない。

(2) シーリング材の種類及び施工箇所は、特記による。
特記がなければ、種類は被着体に応じたものとし、表11.3.1による。

(3) 2成分形シーリング材の基剤及び硬化剤は、シーリング材の製造所の指定する配合とする。

(4) 外装壁タイル接着剤張り工法に用いるシーリング材は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」11章[タイル工事]による。

(5) 補助材料

(ア) プライマーは、シーリング材の製造所の製品とし、被着体 (塗装してある場合は塗料)に適したものとする。

(イ) バックアップ材は、合成樹脂又は合成ゴム製でシーリング材に変色等の悪影響を及ぼさず、かつ、シーリング材と接着しないものとし、使用箇所に適した形状で、裏面に接着剤のついているものは目地幅より1mm程度小さいもの、接着剤のついていないものは目地幅より2mm程度大きいものとする。

(ウ) ボンドブレーカーは、紙、布、プラスチックフィルム等の粘着テープで、シーリング材と接着しないものとする。

表 11.3.1 被着体の組合せとシーリング材の種類

11.3.3 目地寸法

(1) シーリング材の目地寸法は、特記による。
特記がなければ、次による。

(ア) コンクリートの打継ぎ目地及びひび割れ誘発目地は、幅20mm以上、深さ10mm以上とする。

(イ) ガラス回りの目地は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」16.14.3[ガラス溝の寸法、形状等]による場合を除き、幅・深さとも5mm以上とする。

(ウ) (ア)及び(イ)以外の箇所の目地は、幅・深さとも10mm以上とする。

(2) 目地等の形状は、凹凸、広狭等のないものとする。

11.3.4 施工

(1) 施工一般

(ア) 降雨、多湿等により結露のおそれがある場合は、作業を中止する。

(イ) プライマーの塗布及び充填時に被着体が、5℃以下又は50℃以上になるおそれのある場合は、作業を中止する。
ただし、仮囲い、シート覆い等による保温又は遮熱を行うなどの必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。

(ウ) 充填は、原則として、吹付け等の仕上げ前に行う。
仕上げ後に充填する場合には、目地周囲を養生し、はみ出さないように行う。

(2) 下地処理は、次による。

(ア) 下地が十分乾燥した後、油分、じんあい、モルタル、塗料等の付着物及び金属部の錆を除去して、清掃する。

(イ) 目地深さがシーリング材の寸法より深い場合は、バックアップ材を装着し、所定の深さが得られるようにする。

(ウ) 目地深さが所定の寸法の場合は、目地底にボンドブレーカーを用いて二面接着とする。
ただし、動きの小さい打継ぎ目地、ひび割れ誘発目地、建具枠回り等の場合は、三面接着とすることができる。

(3) プライマー塗りは、次による。
プライマーは、下地処理後、被着体に適したものを塗残しのないよう均一に塗布する。

(4) 充填は、次による。

(ア) 充填は、プライマー塗布後、シーリング材の製造所の指定する時間内に行う。

(イ) プライマー塗布後、ごみ、ほこり等が付着した場合又は当日充填ができない場合は、再清掃し、プライマーを再塗布する。

(ウ) 2成分形シーリング材は、シーリング製造所の指定する配合により練り混ぜて、可使時間内に使用する。
また、練り混ぜたシーリング材は、1組の作業班が1日に行った施工箇所を1ロットとして、各ロットごとにサンプリングを行い、サンプリング試料を整理して監督職員に提出する。

(エ) 充填用のガンのノズルは、目地幅に適したものを使用し、隅々まで行きわたるように加圧しながら充填する。

(オ) 充填後は、へらで押さえ、下地と密着させて表面を平滑に仕上げる。

(カ) 目地には、必要に応じて、マスキングテープを張り、へらで押え後、直ちに取り除く。

(キ) 目地への打始めは、原則として、目地の交差部又は角部から行い、隙間、打残し、気泡が入らないよう目地の隅々まで充填する。
なお、打継ぎ箇所は、目地の交差部及び角部を避けて、そぎ継ぎとする。

(ク) 充填箇所以外の部分に付着したシーリング材は、直ちに取り除く。
ただし、シリコーン系シーリング材は、硬化後に取り除く。

(5) じんあいの付着、汚損等のおそれのある場合は、必要に応じて、養生を行う。

(6) 外部シーリングの施工後の確認は、次による。

(ア) 目地に対して正しく充填されていることを目視で確認する。

(イ) シーリング材の硬化及び接着状態を指触等で確認する。

(ウ) (ア)及び(イ)の結果、不具合があった場合は、監督職員と協議を行う。

11.3.5 シーリング材の試験

(1) 外部に面するシーリング材は、施工に先立ち接着性試験を行う。
ただし、同じ材料の組合せで実施した試験成績書がある場合は、監督職員の承諾を受けて、試験を省略することができる。

(2) 接着性試験は簡易接着性試験又は引張接着性試験とし、適用は特記による。
特記がなければ、簡易接着性試験とする。

(ア) 簡易接着性試験は、次による。

(a) 被着体は、実際の部材又は化粧見本とする。

(b) 図11.3.1により、セロハンテープを張り、プライマーを塗布する。

(c) 角形バックアップ材を取り付け、セロハンテープ面とプライマー塗布面にシーリング材をシールし、シーリング材が弾性を発現するまで硬化させる。

(d) 硬化後、図11.3.1のように、シーリング材を180°回転させ、手で引っ張る。

(e) シーリング材が凝集破壊又は薄層凝集破壊した場合に、接着性を合格とする。

図 11.3.1 簡易接着性試験

(イ) 引張接着性試験は、次による。
JIS A 1439 (建築用シーリング材の試験方法) に基づく引張接着性試験とし、被着体は、使用する材料と同様に製作されたものとする。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築木造工事標準仕様書 平成31年版 をWebページ化したものです。

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全体目次/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

国土交通省ウェブサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築木造工事標準仕様書 平成31年版 のPDF版をウェブページ化したものです。 この全体目次にすべてのページへのリンクがありますので、このページをブックマークしていただくと、利用していただきやすいと思います。 最終改定 令和 3 年 3 月 25 日 国営木第20号 令和2年6月9日改定版から令和3年3月25日改定版の変更か所 平成31年4月25日改定版から令和2年6月9日改定版の変更か所 PDF版で見つかった記載間違い 各章共通事項 仮設工事 土・地業・基礎工事 木造工事 軸組構法(壁構造系)工事 軸組構法(軸構造系)工事 枠組壁工法工事 丸太組構法工事 CLTパネル工法工事 木工事 防水工事 石工事 タイル工事 屋根及びとい工事 金属工事 左官工事 建具工事 塗装工事 内装工事 断熱・防露、ユニット及びその他の工事 排水工事 舗装工事 植栽工事 資 料 1章 各章共通事項 共通事項 工事関係図書 工事現場管理 材料 施工 工事検査及び技術検査 完成図等 2章 仮設工事 共通事項 縄張り、遣方、足場等 仮設物 仮設物撤去等 3章 土・地業・基礎工事 共通事項 土工事 地業工事 基礎工事 4章 木造工事 共通事項 防腐・防蟻処理 防火被覆処理 5章 軸組構法(壁構造系)工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材の加工 搬入及び建方 軸組 小屋組 床組 壁 6章 軸組構法(軸構造系)工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材の加工 搬入及び建方 軸組 小屋組 床組 7章 枠組壁工法工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材等の加工 搬入及び建方 土台 床枠組 壁枠組 小屋組及び屋根 8章 丸太組構法工事 共通事項 材料

2節 防腐・防蟻処理/4章 木造工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

4.2.1 防腐・防蟻処理 4.2.2 地盤に接する鉄筋コンクリートによる床下の防蟻処理 4.2.3 地盤の土壌の防蟻処理 4.2.4 防腐措置 4.2.1 防腐・防蟻処理 木材の防腐・防蟻処理は、次により、適用部材及び処理の種類は特記による。 (ア) 防腐・防蟻処理が不要な樹種による製材 「製材の日本農林規格」 (平成19年8月29日 農林水産省告示第1083号) 及び「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」 (昭和49年7月8日 農林省告示第600号) に基づく心材の耐久性区分D1の樹種の心材のみを用いた製材は、次の(イ)及び(ウ)による薬剤による処理の適用を省略できる。 (イ) 薬剤の加圧注入による防腐・防蟻処理 (a) 製材等の加圧注入による防腐・防蟻処理は、「製材の日本農林規格」又は「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」の保存処理の性能区分K2からK4までの区分に適合するもの若しくはこれと同等の保存処理性能のものとし、保存処理の性能区分及びインサイジングの適用は特記による。 (b) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1570 (木材保存剤)に基づく加圧注入用木材保存剤又はこれと同等の木材保存剤を用いて、JIS A 9002 (木質材料の加圧式保存処理方法) に基づく加圧式保存処理を行うものとし、インサイジングの適用は特記による。 なお、JIS A 9002に基づく使用薬剤、注入量等の証明書を、監督職員に提出する。 (c) 加圧注入処理を行ったのち、加工、切断、孔あけ等を行った箇所は、(ウ)により処理を行う。 (ウ) 薬剤の塗布等による防腐・防蟻処理 (a) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1571 (木材保存剤―性能基準及びその試験方法) に適合する表面処理用木材保存剤又はこれと同等の性能を有する木材保存剤による処理を行う。 ただし、附属書A(規定)に基づく表面処理用木材保存剤による処理の適用、薬剤の種類及び適用部材は、特記による。 なお、処理に使用した薬剤、使用量等の記録を監督職員に提出する。 (b) 処理の方法は、特記による。 特記がなければ、次による。 ① 処理面の汚れ及び付着物を取り除

4節 透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルト工事/11章 防水工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

11.4.1 一般事項 11.4.2 材料 11.4.3 施工 11.4.1 一般事項 この節は、外壁を取り付ける場合の透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルトを留め付ける工事に適用する。 11.4.2 材料 (1) 透湿防水シートは、JIS A 6111 (透湿防水シート) に規定する透湿防水シートBとする。 (2) 防水テープ (ア) 両面粘着防水テープの幅は、特記による。 特記がなければ50mm幅以上のものを使用し、傷やしわがないものとする。 (イ) 両面粘着防水テープは、製造所が定める使用可能期間以内に使用する。 (ウ) 両面粘着防水テープは、表11.4.1の性能基準に適合し、10年間の防水機能を検証したものとする。 また、片面粘着防水テープは、両面粘着防水テープの性能基準に準ずる製品とする。 (3) 改質アスファルトフェルト 改質アスファルトフェルトは、表11.4.2の品質に適合したものとする。 (4) ステープルは、JIS A 5556 (工業用ステープル) による。 11.4.3 施工 (1) 施工条件 (ア) 降雨・降雪時、降雨・降雪が予想される場合又は降雨・降雪後で下地が未乾燥の場合は、施工を行わない。 (イ) 防腐・防蟻処理された胴縁を使用する場合、透湿防水シート施工後、降雨・降雪等で胴縁及び透湿防水シートを濡らさないよう、直ちに外装材を設置すること。 (ウ) 防水テープの施工は、5℃未満では原則行わない。 (エ) 防水テープの施工は、被着体の乾燥のほか、油分、ほこり、木屑等の汚れを除去したうえで行う。 (2) 透湿防水シート、防水テープ及び先張り防水シートの工法 (ア) 透湿防水シートの施工は、開口部回り、外壁上下端部及び取合い部の雨水処理、水切り取付け等の工事終了後に行う。 (イ) 柱、間柱の間隔、段差、不陸などを確認し、不具合がある場合は修正し、柱・間柱あるいは耐力面材の上に透湿防水シートを張る。 なお、外張断熱工法とする場合は、断熱材の上に張る。 (ウ) 透湿防水シートは、シートを横方向に下部から上部に積み上げる、よろい張りを原則とする。 (a) 重なりは、上下幅90mm以上とする。 左右の重なりは構造用面材がない場合は、柱 (間柱) と間柱 (柱)の間隔 (左