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8節 外壁回り/10章 木工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

10.8.1 外壁下地材料

(1) 胴縁は、次による。

(ア) 樹種、寸法及び間隔は、特記による。

(イ) 胴縁の工法は、表10.8.1による。

(ウ) 防腐・防蟻処理は、4.2.1[防腐・防蟻処理]により、適用は特記による。

表 10.8.1 胴縁の工法

(2) ラス下地板・下地用合板は、次による。

(ア) ラス下地板

(a) 下地板の樹種及び寸法は、特記による。
特記がなければ、寸法は厚さ12mm、幅75mmとする。

(b) 防腐・防蟻処理は、4.2.1[防腐・防蟻処理]により、適用は特記による。

(c) 含水率は、10.2.1(2)による。

(d) ラス下地板の施工は、次による。

① ラス下地板は、ステープル100mm以内の留付けに対して有効な間隔で留め付ける。

② 下地板は、通りよく、20mm程度の目透しとする。

③ ラス下地板の留付けは、胴縁を挟んでも間柱間等の支持力が得られる長さの釘とし、釘の種類及び寸法は、特記による。
釘は2本打ちとし、釘間隔は、釘胴径の15倍以上空ける。
特記がなければ、仕上げがタイル張り等で荷重が大きくなる場合を除き、外張り断熱を行っていない場合、下地板が厚さ12mm、幅75mm製材の場合はNZ50列2本打ち、12㎜の合板の場合はNZ65@150とする。

④ 継手は受材心で突付け継ぎとし、横張り6枚以下ごとに乱継ぎとする。
また、出隅・入隅の場合は、隅柱等の隅部分の両側に受材を取り付け、ラス下地板は両方とも受材に釘打ちとする。
なお、通気構法の場合は、通気胴縁を受材とする。

(イ) 下地用合板

(a) 下地用合板は、10.2.3(ア)による。

(b) 防腐・防蟻処理は、4.2.1[防腐・防蟻処理]により、適用は特記による。

(c) 含水率は、10.2.1(2)による。

(d) 下地用合板の留付けは、胴縁を挟んでも間柱間等の支持力が得られる長さの釘とし、釘の種類、寸法及び留付け間隔は、特記による。

(ウ) 通気胴縁

(a) 通気胴縁の樹種及び寸法は、特記による。
特記がなければ、樹種は杉とし、寸法は厚さ18mm以上、かつ、幅45mm以上とし、仕上材継目部、壁の出隅部及び入隅部では、通気胴縁の幅を90mm以上とする。

(b) 防腐・防蟻処理は、4.2.1[防腐・防蟻処理]により、適用は特記による。

(エ) 通気金物
通気金物の材質、形状及び寸法は、特記による。

10.8.2 外壁通気構法下地

外壁構造体(柱・間柱)又は外壁構造用面材の上に、JIS A 6111 (透湿防水シート) Bによる透湿防水シート処理をした表層に、通気層を設ける場合に適用する。
なお、通気層は、土台上部水切り箇所から、壁面上部又は小屋裏換気孔まで通気できるように設ける。

(ア) 土台水切りの設置は、次による。

(a) 土台水切りを水平に取り付け、継目は、重ね代を30mm以上とし、重ね目にシーリング材を施す。

(b) 土台水切りと外壁の取合い部は、外壁の通気を妨げない形状とし、外壁の下端は通気を確保するため、10~15㎜程度の高さの通気口を設ける。

(c) 外周部の土台にねこ土台を使用する場合の土台水切りは、床下の換気に必要な有効面積を有し、かつ、ねずみ等の侵入を防ぐものとする。

(イ) 透湿防水シート、粘着防水テープの施工は、11.4.3[施工]による。

(ウ) 通気胴縁工法は、原則として、縦通気胴縁とし、次による。

(a) 通気胴縁の施工は、土台水切部から軒天井部、小屋裏換気口等にかけて通気層を確保し、かつ、通気層の上部及び下部が必ず開放されるようにする。

(b) 出隅・入隅には、受け木を取り付ける。

(c) 通気胴縁の間隔は、500mm以下とし、間柱等への貫入長さ35mm以上の表面処理された鉄又はステンレス釘を用いて、柱・間柱へ500mm以下の間隔で留め付ける。
ただし、ラス下地板から外側の荷重支持を胴縁が負担する場合や、タイル張り等により外壁荷重が大きくなる場合の強度に見合う接合具と留付け間隔は、特記による。

(d) 開口部周囲において、建具回りに30mm程度の通気のための隙間を確保し、通気胴縁を取り付ける。

(e) 枠組壁工法による通気胴縁の取り付けについては、ステンレス釘等の取付け位置には、枠又は受桟などの部材を取り付ける。

(f) 隅柱、管柱、間柱等の見込み寸法が異なる場合は、胴縁の厚さを変えるなど、通気胴縁の見付け面が同じ高さとなるようにする。

(g) 通気胴縁の不陸は、1,000mm当り、2mm以下とする。

(h) 縦通気胴縁工法

① 縦胴縁は、通気箇所が妨げられる窓額縁、見切り縁、外部回り縁等の水平造作材との間に、胴縁と30mm程度の隙間を設け、通気が妨げられないようにする。

② 建築基準法施行令第129条の2の3に基づく準耐火構造の場合は、縦胴縁に熱気止め(ファイアーストップ) を、高さ3,000㎜ごとに通気役物又は開口率3.5~7%に切り欠いた通気孔を設けた横胴縁を取り付ける。

③ 積雪地域の場合は、積雪高さまで補強胴縁を設ける。
補強方法及び補強高さは、特記による。
特記がなければ、補強方法は、間柱間に補強用下地材を取り付け、胴縁間に胴縁と同材の補強胴縁を間隔250mm以下に取り付ける。

④ サイディングを仕上材とし、サイディングの割り付け幅が開口部の上下で100mm以下となる場合は、補強胴縁を取り付ける。
また、開口部周囲、入隅部及び出隅部ではサイディングを留め付ける胴縁を入れる。

(i) 横通気胴縁工法

① 胴縁は、柱及び間柱当たりで留め付ける。
胴縁の間隔は、特記による。

② 胴縁は、2,000mm以下ごとに幅30mm程度の通気のための隙間を設ける。

③ 積雪地域の場合は、積雪高さまで補強胴縁を設ける。
なお、補強方法及び補強高さは、特記による。
特記がなければ、補強方法は、補強胴縁を間隔303mm以下に取り付ける。

④ サイディングを仕上材とし、割付け幅が開口部の左右で、100mm以下となる場合は、補強胴縁を取り付ける。

(j) 通気金物

① 壁面下部に設ける通気金物は、水切り金物兼用の外壁仕上材に適合したものとし、内側に防虫網を設ける。

② 壁面上部に通気孔を設ける場合は、造作による隙間又は通気金物を設置し、内側に防虫網を設ける。

(k) 通気構法の軒天部

① 外壁を湿式仕上げとする場合
通気層が小屋裏まで達する場合は、透湿防水シート、胴縁、先張り防水シート、軒天井の順番で下地の施工が行われているか確認し、ラス施工を行う。
また、通気層が壁上部で開放される場合は、透湿防水シート、先張り防水シート、軒天井、胴縁の順番で施工が行われた後、回り縁金物等により通気層を確保したのち、ラス施工を行う。

② 外壁を乾式仕上げとする場合
通気層が小屋裏まで達する場合は、透湿防水シートを先張りし、胴縁、軒天井の下地の順で下地の施工が行われているか確認する。
また、通気層が壁上部で開放される場合は、桁まで透湿防水シートを張り、軒天井、胴縁の順で施工が行われたのち、回り縁金物等により通気層を確保する。

(エ) 通気層への小動物及び虫侵入防止措置を行う。

(オ) 通気胴縁以降は、外壁仕上げに適合する下地とし、特記による。

10.8.3 外壁板張り

(1) 押縁下見板張り(ささら子下見板張り)は、次による。

(ア) 押縁及び下見板の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 押縁下見板張り (ささら子下見板張り) の工法は、表10.8.2による。

表 10.8.2 押縁下見板張り (ささら子下見板張り) の工法

(2) 南京下見板張り (よろい下見板張り)は、次による。

(ア) 下見板の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 南京下見板張り (よろい下見板張り) の工法は、表10.8.3による。

表 10.8.3 南京下見板張り (よろい下見板張り) の工法

(3) 横羽目板張り・縦羽目板張りは、次による。

(ア) 羽目板の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 横羽目板張り及び縦羽目板張りの工法は、表10.8.4による。

表 10.8.4 横羽目板張り及び縦羽目板張りの工法

(4) 目板付縦羽目板張りは、次による。

(ア) 目板及び羽目板の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 目板付縦羽目板張りの工法は、表10.8.5による。

表 10.8.5 目板付縦羽目板張りの工法

(5) 敷目板張りは、次による。

(ア) 敷目板の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 敷目板張りの工法は、表10.8.6による。

表 10.8.6 敷目板張りの工法

10.8.4 外壁造作

(1) 付け土台は、次による。

(ア) 樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 付け土台の工法は、表10.8.7による。

表 10.8.7 付け土台の工法

(2) 雨押えは、次による。

(ア) 樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 雨押えの工法は、表10.8.8による。

表 10.8.8 雨押えの工法

(3) 見切り縁・笠木・外部回り縁は、次による。

(ア) 樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 見切り縁、笠木及び外部回り縁の工法は、表10.8.9による。

表 10.8.9 見切り縁、笠木及び外部回り縁の工法

10.8.5 ひさし

(1) 陸ひさしは、次による。

(ア) 製材の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 陸ひさしの工法は、表10.8.10による。

表10.8.10 陸ひさしの工法

(2) 霧除けひさしは、次による。

(ア) 製材の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 霧除けひさしの工法は、表10.8.11による。

表10.8.11 霧除けひさしの工法

(3) 腕木ひさし (しころひさし)は、次による。

(ア) 製材の樹種及び寸法は、特記による。

(イ) 腕木ひさし (しころひさし) の工法は、表 10.8.12による。

表10.8.12 腕木ひさし (しころひさし) の工法
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2節 防腐・防蟻処理/4章 木造工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

4.2.1 防腐・防蟻処理 4.2.2 地盤に接する鉄筋コンクリートによる床下の防蟻処理 4.2.3 地盤の土壌の防蟻処理 4.2.4 防腐措置 4.2.1 防腐・防蟻処理 木材の防腐・防蟻処理は、次により、適用部材及び処理の種類は特記による。 (ア) 防腐・防蟻処理が不要な樹種による製材 「製材の日本農林規格」 (平成19年8月29日 農林水産省告示第1083号) 及び「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」 (昭和49年7月8日 農林省告示第600号) に基づく心材の耐久性区分D1の樹種の心材のみを用いた製材は、次の(イ)及び(ウ)による薬剤による処理の適用を省略できる。 (イ) 薬剤の加圧注入による防腐・防蟻処理 (a) 製材等の加圧注入による防腐・防蟻処理は、「製材の日本農林規格」又は「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」の保存処理の性能区分K2からK4までの区分に適合するもの若しくはこれと同等の保存処理性能のものとし、保存処理の性能区分及びインサイジングの適用は特記による。 (b) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1570 (木材保存剤)に基づく加圧注入用木材保存剤又はこれと同等の木材保存剤を用いて、JIS A 9002 (木質材料の加圧式保存処理方法) に基づく加圧式保存処理を行うものとし、インサイジングの適用は特記による。 なお、JIS A 9002に基づく使用薬剤、注入量等の証明書を、監督職員に提出する。 (c) 加圧注入処理を行ったのち、加工、切断、孔あけ等を行った箇所は、(ウ)により処理を行う。 (ウ) 薬剤の塗布等による防腐・防蟻処理 (a) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1571 (木材保存剤―性能基準及びその試験方法) に適合する表面処理用木材保存剤又はこれと同等の性能を有する木材保存剤による処理を行う。 ただし、附属書A(規定)に基づく表面処理用木材保存剤による処理の適用、薬剤の種類及び適用部材は、特記による。 なお、処理に使用した薬剤、使用量等の記録を監督職員に提出する。 (b) 処理の方法は、特記による。 特記がなければ、次による。 ① 処理面の汚れ及び付着物を取り除

4節 透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルト工事/11章 防水工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

11.4.1 一般事項 11.4.2 材料 11.4.3 施工 11.4.1 一般事項 この節は、外壁を取り付ける場合の透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルトを留め付ける工事に適用する。 11.4.2 材料 (1) 透湿防水シートは、JIS A 6111 (透湿防水シート) に規定する透湿防水シートBとする。 (2) 防水テープ (ア) 両面粘着防水テープの幅は、特記による。 特記がなければ50mm幅以上のものを使用し、傷やしわがないものとする。 (イ) 両面粘着防水テープは、製造所が定める使用可能期間以内に使用する。 (ウ) 両面粘着防水テープは、表11.4.1の性能基準に適合し、10年間の防水機能を検証したものとする。 また、片面粘着防水テープは、両面粘着防水テープの性能基準に準ずる製品とする。 (3) 改質アスファルトフェルト 改質アスファルトフェルトは、表11.4.2の品質に適合したものとする。 (4) ステープルは、JIS A 5556 (工業用ステープル) による。 11.4.3 施工 (1) 施工条件 (ア) 降雨・降雪時、降雨・降雪が予想される場合又は降雨・降雪後で下地が未乾燥の場合は、施工を行わない。 (イ) 防腐・防蟻処理された胴縁を使用する場合、透湿防水シート施工後、降雨・降雪等で胴縁及び透湿防水シートを濡らさないよう、直ちに外装材を設置すること。 (ウ) 防水テープの施工は、5℃未満では原則行わない。 (エ) 防水テープの施工は、被着体の乾燥のほか、油分、ほこり、木屑等の汚れを除去したうえで行う。 (2) 透湿防水シート、防水テープ及び先張り防水シートの工法 (ア) 透湿防水シートの施工は、開口部回り、外壁上下端部及び取合い部の雨水処理、水切り取付け等の工事終了後に行う。 (イ) 柱、間柱の間隔、段差、不陸などを確認し、不具合がある場合は修正し、柱・間柱あるいは耐力面材の上に透湿防水シートを張る。 なお、外張断熱工法とする場合は、断熱材の上に張る。 (ウ) 透湿防水シートは、シートを横方向に下部から上部に積み上げる、よろい張りを原則とする。 (a) 重なりは、上下幅90mm以上とする。 左右の重なりは構造用面材がない場合は、柱 (間柱) と間柱 (柱)の間隔 (左