8.2.1 施工一般
(1) 木材及び構造用面材の品質、出荷量等を記録した出荷証明書を、監督職員に提出する。
(2) 材料のホルムアルデヒド放散量は、4.1.3[ホルムアルデヒド放散量]による。
8.2.2 丸太組壁用木材
(1) 機械加工の丸太組壁用木材
機械加工の丸太組壁用木材は、次による。
(a) 樹種、寸法及び含水率は、特記による。
(b) 加工前に全てについて、目視により材の欠点がないことを確認し、報告書を監督職員に提出する。
(c) 品質は、特記による。
特記がなければ、次による。
① 腐れ及び虫食いがないこと。
② 傷及び穴は、顕著でないこと。
③ 曲がりは、部材の両木口を結ぶ外縁線からの最大矢高が材長の0.5%以下とし、測定方法は、図8.2.2による。
④ 割れの許容範囲は、表8.2.1による。
⑤ 丸太組壁用木材の所定断面からの断面欠損を丸身とし、丸身は、丸太組壁用木材の設計断面積の10%を超えないこと。
また、丸身は1か所であり、かつ、長さは60cm以下であること。
なお、壁の水密性に影響を与えるような丸身はないものとする。
⑥ 木材の平均年輪幅は、10mm以下とする。
⑦ 節の測定方法は図8.2.3 により、許容範囲は、表8.2.2による。
なお、節径比の計算は、丸太組壁用木材断面に内接する面積最大の矩形断面に関して行う。
⑧ 矩形断面を求める場合には背割りを無視する。
⑨ 節径比は、丸太組壁用木材表面の節の心と髄を結ぶ直線が横切る矩形断面の辺長を用いて計算し、節径比の計算は、各材面ごとに行う。
なお、節径比の計算は、傷及び穴を節と見なして扱う。
⑩ 部材の長軸に対する繊維傾斜は、1/6以下とする。
⑪ 反りやねじりは、使用上支障のない程度とする。
(2) 手加工の丸太組壁用木材
手加工の丸太組壁用木材は、次による。
(a) 丸太組壁に用いる手加工の丸太組壁用木材は、できるだけ乾燥した皮はぎ材とし、樹種、寸法及び径は、特記による。
(b) 加工前に全てについて、目視により材の欠点がないことを確認し、報告書を監督職員に提出する。
(c) 品質は、特記による。
特記がなければ、次による。
① 腐れ及び虫食いがないこと。
② 曲がりは、図8.2.5 により、丸太の末元中心線からの最大矢高が末口直径の20%以下とする。
なお、S字曲がり及び二方向への曲がりは、それぞれの矢高の合計を最大矢高とする。
③ 割れの許容範囲は、表8.2.3 による。
④ 木材の平均年輪幅は、末口で測定し、10mm以下とする。
⑤ 根張りの影響を考慮して、元口直径は元口から1m部位の直径を6cm以上超えないこと。
⑥ 節の測定方法は図8.2.6 により、許容範囲は、表8.2.4による。
なお、節径は接線径を測定するものとし、集中節径比は、任意の丸太表面の1/4の部分で、幅15cmに係る節径の合計値とする。
8.2.3 丸太組壁以外に用いる木材
(1) 製材
製材は、次により、適用は特記による。
(a) 目視等級区分構造用製材は、「製材の日本農林規格」第5条「目視等級区分構造用製材の規格」の乾燥処理を施した木材とし、樹種、構造材の種類、等級、寸法、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
なお、その基準強度は、「木材の基準強度 Fc、Ft、Fb 及び Fs を定める件」 (平成12年5月31日建設省告示第1452号。以下この章において「告示第1452号」という。) 第一号による。
(b) 機械等級区分構造用製材は、「製材の日本農林規格」第6条「機械等級区分構造用製材の規格」の乾燥処理を施した木材とし、樹種、曲げ性能(等級)、寸法、含水率及び保存処理は、特記による。
また、見え掛り部に用いる場合で、節、丸身、貫通割れ及び曲がりの規定を必要とするものの適用、等級等は、特記による。
特記がなければ、「機械等級区分構造用製材の規格」による。
なお、その基準強度は、告示第1452号第二号による。
(c) 広葉樹製材は、次による。
① 「製材の日本農林規格」第8条「広葉樹製材の規格」の乾燥処理を施した木材とし、樹種、等級、寸法、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
② 基準強度は、告示第1452号第五号に基づき、加工前に、縦振動ヤング係数を測定し、基準強度を満たしていることを確認し、報告書を監督職員に提出する。
なお、測定の対象部材は、特記による。
(d) (a)から(c)まで以外の製材は、乾燥処理を施した木材とし、寸法、樹種、含水率及び材面の品質 (節、貫通割れ、丸身、目まわり、曲がり、そり、ねじれ等)は、特記による。
なお、加工前に全てについて、含水率、目視による材の欠点等を確認し、報告書を監督職員に提出する。
含水率の測定は、4.1.4[含水率の測定]による。
(2) 集成材
集成材は、次により、適用は特記による。
(a) 構造用集成材は、「集成材の日本農林規格」第5条「構造用集成材の規格」に基づき、品名、曲げ性能(強度等級)、材面の品質、接着性能(使用環境)、樹種、寸法及び保存処理は、特記による。
なお、その基準強度は、「特殊な許容応力度及び特殊な材料強度を定める件」 (平成13年6月12日 国土交通省告示第1024号。以下この章において「告示第1024号」という。) 第三第二号による。
(b) 化粧ばり構造用集成柱は、「集成材の日本農林規格」第6条「化粧ばり構造用集成柱の規格」に基づき、品名、樹種 (芯材) 、寸法、化粧薄板の厚さ及び見付け材面の品質は、特記による。
なお、その基準強度は、告示第1024号第三第二号による。
(3) 枠組壁工法構造用製材
枠組壁工法構造用製材は、次により、適用は特記による。
(a) 甲種枠組材は、「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」第4条「甲種枠組材の規格」に基づき、樹種又は樹種群、寸法型式、未乾燥材又は乾燥材の別及び保存処理は、特記による。
なお、その基準強度は、告示第1452号第三号による。
(b) 乙種枠組材は、「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」第5条「乙種枠組材の規格」に基づき、樹種又は樹種群、寸法型式、未乾燥材又は乾燥材の別及び保存処理は、特記による。
なお、その基準強度は、告示第1452号第三号による。
(c) MSR枠組材は、「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」第6条「MSR枠組材の規格」に基づき、品名、樹種又は樹種群、曲げ強度性能(MSR等級)、寸法型式及び未乾燥材又は乾燥材の別は、特記による。
なお、その基準強度は、告示第1452号第四号による。
(4) 枠組壁工法構造用たて継ぎ材
枠組壁工法構造用たて継ぎ材は、次により、適用は特記による。
(a) 甲種たて継ぎ材は、「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」第8条「甲種たて継ぎ材の規格」に基づき、品名、樹種又は樹種群及び寸法型式は、特記による。
なお、その基準強度は、告示第1452号第三号による。
(b) 乙種たて継ぎ材は、「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」第9条「乙種たて継ぎ材の規格」に基づき、品名、樹種又は樹種群及び寸法型式は、特記による。
なお、その基準強度は、告示第1452号第三号による。
(c) MSRたて継ぎ材は、「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」第10条「MSRたて継ぎ材の規格」に基づき、品名、樹種又は樹種群、曲げ強度性能(MSR等級)及び寸法型式は、特記による。
(5) 木質接着成形軸材料、木質複合軸材料、木質断熱複合パネル、木質接着複合パネルは、「建築物の基礎、主要構造部等に使用する建築材料並びにこれらの建築材料が適合すべき日本工業規格又は日本農林規格及び品質に関する技術的基準を定める件」 (平成12年5月31日建設省告示第1446号) に基づくものとし、かつ、国土交通大臣が許容応力度及び材料強度を指定したものとする。
なお、形状、寸法及び含水率は、特記による。
(6) 柱に用いる丸太材は、皮はぎ材とし、樹種、寸法、含水率及び末口径は、特記による。
なお、全てについて、目視による材の欠点がないことを確認し、報告書を監督職員に提出する。
8.2.4 構造用面材
構造用面材は、次により、適用は特記による。
(ア) 構造用合板は、「合板の日本農林規格」 第6条「構造用合板の規格」に基づき、品名、厚さ、接着の程度、等級、板面の品質、曲げ性能(強度等級)、単板の樹種名及び保存処理は、特記による。
なお、屋外又は常時湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を特類とする。
(イ) 化粧ばり構造用合板は、「合板の日本農林規格」第7条「化粧ばり構造用合板」に基づき、品名、厚さ、単板の樹種名及び接着の程度は、特記による。
なお、屋外又は常時湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を特類とする。
(ウ) パーティクルボードは、JIS A 5908 (パーティクルボード) に基づき、表裏面の状態による区分、曲げ強さによる区分、耐水性による区分及び厚さは、特記による。
(エ) 構造用パネルは、「構造用パネルの日本農林規格」に基づき、品名、厚さ及び曲げ性能(等級)は、特記による。
8.2.5 接合金物・接合具等
(1) 接合金物
接合金物は、次により、適用は特記による。
ただし、直接雨にさらされる屋外環境で使用する場合は、特記による。
特記がなければ、材質はステンレス製とする。
(a) (公財)日本住宅・木材技術センターが規定する「接合金物規格」に適合するもので、使用環境2の区分のもの。
① 「接合金物規格 (Mマーク表示金物) 」によるもの。
② 「接合金物規格 (Zマーク表示金物) 」によるもの。
③ 「接合金物規格 (Cマーク表示金物) 」によるもの。
(b) (公財)日本住宅・木材技術センターが規定する「木造建築物用接合金物認定規程」に適合するもので、使用環境2の区分のもの。
① 「同等認定金物 (Dマーク表示金物) 」によるもの。
② 「性能認定金物 (Sマーク表示金物) 」によるもの。
(c) (a)及び(b)以外の接合金物は、次による。
① 製作工場の加工能力等を示す資料を、監督職員に提出する。
② 製作接合金物の寸法、形状及び鋼材の材質は、特記による。
③ 加工図を作成し、監督職員に提出する。
④ 表面処理は、次により、適用は特記による。
㋐ 溶融亜鉛めっきは、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」14章2節[表面処理]による。
㋑ 電気亜鉛めっきは、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」14章2節[表面処理]による。
㋒ 錆止め塗装は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」18章3節[錆止め塗料塗り]による。
㋓ 防腐・防蟻処理製材に使用する接合金物及び接合具は、防腐・防蟻処理剤により腐食が起きない表面処理を施したものとする。
⑤ 溶接接合は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」7章6節[溶接接合]による。
⑥ 鋼材の品質を証明する資料及び製作工場における品質管理が適切に行われたことを示す記録を、監督職員に提出する。
⑦ ボルト、ラグスクリュー、ドリフトピン等の径に応じた接合金物の孔あけ加工は、表8.2.5 による。
(2) だぼ
(ア) 木だぼ
(a) 木だぼの樹種は、丸太組壁用木材と同種又は接合する丸太材の樹種より堅木のものを用いる。
(b) 木だぼ断面を表示する寸法は、仕上り寸法とし、小径25mm以上の角形又は直径25mm以上の円形とする。
(イ) 鋼製だぼ
(a) 鋼製だぼの品質は、JIS G 3112 (鉄筋コンクリート用棒鋼) に基づくSR235又は同等以上のものとする。
(b) 鋼製だぼの呼び径は9mm以上とし、丸太材等の寸法に応じたものとする。
(c) 鋼製だぼが常時湿潤状態となるおそれのある部分に用いられる場合の表面処理は、JIS H 8641 (溶融亜鉛めっき) に基づく2種 HDZ35とする。
(ウ) ラグスクリューだぼ
(a) (公財)日本住宅・木材技術センターが規定する「接合金物規格 (Zマーク表示金物) 」に適合するもの。
(b) (a)以外のラグスクリューの材料は、(6)(b)により、形状、寸法等は、特記による。
なお、表面処理は、次により、適用は特記による。
① 溶融亜鉛めっきは、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」14章2節[表面処理]による。
② 電気亜鉛めっきは、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」14章2節[表面処理]による。
③ 錆止め塗装は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」18章3節[錆止め塗料塗り]による。
④ 防腐、防蟻処理製材に使用する接合金物及び接合具は、防腐・防蟻処理剤により腐食が起きない表面処理を施したものとする。
(3) ジャッキボルト
(ア) ジャッキボルトは、次により、寸法及び形状は、特記による。
(a) ボルト及び座金の材質は、SS400又は同等以上のものとする。
(b) ボルトの径は、特記による。
(c) 座金の大きさ及び厚さは、特記による。
(d) ジャッキボルトの表面処理は、(2)(ウ)(b)による。
(e) 溶接接合は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」7章6節[溶接接合]による。
(f) 鋼材の品質を証明する資料及び溶接箇所の確認結果を、監督職員に提出する。
(イ) 製作工場の加工能力等を示す資料を、監督職員に提出する。
(ウ) 加工図を作成し、監督職員に提出する。
(4) 垂木用スライド金物
切妻屋根の妻壁を丸太組壁とする場合に適用する。
(a) 垂木用スライド金物は、次により、寸法及び形状は、特記による。
① 金物の材質は、SS400又は同等以上のものとする。
② 垂木及び桁との釘接合の接合方法は、特記による。
③ 金物の寸法及び形状は、特記による。
④ 金物の表面処理は、(2)(ウ)(b)による。
⑤ 溶接接合は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」7章6節[溶接接合]による。
⑥ 鋼材の品質を証明する資料及び溶接箇所の確認結果を、監督職員に提出する。
(b) 製作工場の加工能力等を示す資料を、監督職員に提出する。
(c) 加工図を作成し、監督職員に提出する。
(5) 釘及び木ねじ
(ア) 接合金物用の釘は、(1)の(a)及び(b)による。
(イ) (ア)以外の釘は、JIS A 5508 (くぎ) に基づき、材質は表面処理された鉄又はステンレス製とする。
(ウ) (ア)及び(イ)以外のコンクリート用釘、その他の特殊な釘の材質、寸法及び形状は、特記による。
(6) ボルト、アンカーボルト、ナット及び座金
ボルト、アンカーボルト、ナット及び座金は、次により、適用は特記による。
(a) (1)(a)の①及び②によるもの。
(b) (a)以外のボルト、アンカーボルト、ナット及び座金は、次による。
① ボルト及びナットの材料等は、特記による。
特記がなければ、表8.2.6による。
なお、表面処理は、(2)(ウ)(b)による。
② アンカーボルトの材質、寸法等は、特記による。
③ 座金は、次による。
㋐ 材質は、特記による。
㋑ 厚さ、寸法及び形状は、特記による。
特記がなければ、ボルトの径に適したものとし、引張り応力を受けるボルトの座金は、表8.2.7、せん断応力を受けるボルトの座金は、表8.2.8により、座金の種別は特記による。
なお、表面処理は、(2)(ウ)(b)による。
(7) 通しボルト、高ナット及び座金
(ア) (公財)日本住宅・木材技術センターが規定する「接合金物規格 (Mマーク表示金物) 」に適合するものとする。
(イ) (ア)以外のボルト、ナット及び座金は、次による。
(a) 通しボルト
① 通しボルトの品質は、JIS G 3112 (鉄筋コンクリート用棒鋼) によるSR235又は同等以上のものとする。
② 通しボルトの呼び径は、特記による。
③ 通しボルトの表面処理は、(2)(ウ)(b)による。
(b) 高ナットの品質は、JIS B 1181 (六角ナット) 、JIS B 0206 (ユニファイ並目ねじ)又はJIS B 0210 (ユニファイ並目ねじの許容限界寸法及び公差) に準じたものとし、長さは呼び径の3倍以上とする。
(c) 通しボルトに用いる座金は、ボルトの径に適したものとし、引張り応力を受けるボルトの座金は、表8.2.7、せん断応力を受けるボルトの座金は、表8.2.8により、座金の種類は特記による。
なお、表面処理は、(2)(ウ)(b)による。
(8) 接着剤
床鳴り防止用接着剤は、JIS A 5550 (床根太用接着剤) に基づき、適用及びその種類は特記による。
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