8.4.2 丸太組壁用木材の断面加工
8.4.3 丸太組壁用木材の交差部形状加工
8.4.4 丸太組壁用木材の孔あけ加工
8.4.5 丸太組壁用木材の表面仕上げ
8.4.10 製品確認
8.4.1 加工図
木材の加工図を作成し、監督職員に提出する。
8.4.2 丸太組壁用木材の断面加工
(1) 機械加工
(ア) 機械加工の丸太組壁用製材の断面形状は、図8.4.1により、適用は特記による。
(イ) さね形状は、特記による。
特記がなければ、製造所の仕様による。
(ウ) 見付高さ、重なり幅及び部材幅は、特記による。
(エ) 加工精度は、表8.4.1による。
(2) 手加工
(ア) 手加工の丸太組壁用丸太材の断面寸法の直径については、平均径とする。
なお、平均径は、Σ[(元口径+末口径) )/2]/全数とする。
(イ) 見付高さは、壁高さを段数で割った寸法とする。
(ウ) 根張りの影響を考慮して、元口から1m部位の直径と元口直径との差は、6cm以内とする。
(エ) 重なり幅は、最小の部位の寸法とする。
(オ) 丸太材の加工に当たっては、材の重なり幅をできるだけ広くとる。
8.4.3 丸太組壁用木材の交差部形状加工
(1) 交差部の位置及び形状は、特記による。
特記がなければ、交差部の形状は、製造所の仕様による。
(2) 丸太組壁の梁間方向と桁行方向の交差部は、丸太材等を隙間なくかみ合わせ、出隅においては、外壁面から200mm以上端部を突き出させる。
なお、壁面から200mm未満の場合の補強方法は、特記による。
(3) 防水テープ用の彫込みは、位置と大きさに注意し、部材の構造性能を損なわないように行う。
(4) 交差部の形状加工において、余分な彫込み及び切込みを行わない。
(5) 交差部のかみ合せの程度は、表8.4.2による。
8.4.4 丸太組壁用木材の孔あけ加工
(1) 孔あけ加工は、電動ドリルで行い、孔あけ位置及び孔径は、特記による。
孔あけの際の端あきは、図8.4.2により、だぼ及び通しボルトの径の7倍以上を確保する。
なお、だぼは、図8.4.2により、丸太径の1/2以上埋め込む。
(2) 木だぼの孔径は、次による。
(ア) 角型だぼの場合は、だぼ断面の対角線長さより孔径を小さく(-3mm程度)する。
(イ) 円形だぼの場合は、だぼ径より孔径を小さく(-1mm程度)する。
(3) 鋼製だぼの孔径は、だぼが、だぼ孔に密着(+3mm程度)するように孔あけを行う。
(4) ラグスクリューだぼの孔径は、次による。
(ア) ラグスクリューの胴部径とスクリュー部径のそれぞれに基づく2段の孔あけ加工とする。
(イ) 胴部の孔あけは、胴部径と同径とし、その長さは胴部長さまでとする。
(ウ) スクリュー部の孔あけは、スクリュー径の50~70%とし、その長さはスクリュー部長さと同じとする。
(エ) スクリューの頭部は、沈込み量を見込んだ彫込みをして納める。
(5) 通しボルトの孔あけ加工は、高ナットの径を考慮した孔径とする。
8.4.5 丸太組壁用木材の表面仕上げ
(1) 表面の仕上げ程度は、特記による。
特記がなければ、次による。
(ア) 機械加工の場合は、自動機械かんな掛け仕上げとする。
(イ) 手加工の場合は、ちょうな、曲面かんな又はディスクサンダー掛けとする。
(2) 木材保護塗料塗りは、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」18章13節[木材保護塗料塗り (WP) ]による。
8.4.6 丸太組壁以外に用いる木材の加工及び表面仕上げ
丸太組壁以外に用いる製材、集成材、丸太材及び枠組材の加工は、次による。
(ア) 仕口及び継手の形状加工
(a) 仕口及び継手の工法は、特記による。
(b) 仕口及び継手の形状加工のための彫込みは、位置と大きさに注意し、部材の構造性能を損なわないように行う。
(c) 仕口及び継手の形状加工において、余分な彫込み及び切込みを行わない。
(d) のこ引きのとき、横引きを深くしてはならない。
(e) 込み栓孔は、角孔とし、接合する両方の材を引き寄せるように加工する。
(f) 仕口及び継手のかみ合せの程度は、表 8.4.3による。
(イ) 孔あけ加工
(a) ボルトの孔あけ加工は、ボルトが木部のボルト孔に密着するように、孔あけを行う。
また、ボルトの径に加える木部のボルト孔の大きさは、特記による。
特記がなければ、表8.4.4による。
(b) ラグスクリューの孔あけ加工は、次による。
① ラグスクリューの胴部径とスクリュー部径のそれぞれに基づく2段の孔あけ加工とする。
② 胴部の孔あけは、胴部径と同径とし、その長さは胴部長さまでとする。
③ スクリュー部の孔あけは、スクリュー径の50~70%程度とし、その長さはスクリュー部長さに同じとする。
(c) ドリフトピンの孔径は、特記による。
特記がなければ、ピン径と同径とする。
(d) 木だぼの孔あけは、木だぼと同径とする。
(ウ) 表面の仕上げ
見え掛り面の表面の仕上げ程度は、機械加工 (製材・構造用集成材) の場合は、表 8.4.5及び表 8.4.6、手加工 (製材) の場合は、表 8.4.7、機械加工 (丸太材) の場合は、表8.4.8、手加工 (丸太材) の場合は、表 8.4.9により、種別は特記による。
特記がなければ、機械加工 (構造用集成材) の仕上げの程度は、B種とする。
(エ) 木材保護塗料塗りは、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」18章13節[木材保護塗料塗り (WP) ]により、適用は特記による。
8.4.7 丸太組壁用木材の継手加工及び継手の補強方法
(1) 耐力壁を構成する丸太等には、原則として、継手を設けない。
ただし、やむを得ず継手を設ける場合には、次の箇所を避ける。
なお、1交差部間に2か所以上の継手を設けない。
(ア) 開口部の上下材で直接開口部に接する部分
(イ) 両端のみに直交壁がある壁
(ウ) 上下材に継手がある部分に挟まれた材
(2) 丸太組壁用木材に設ける継手の方法は、特記による。
特記がなければ、次のいずれかによる。
(ア) 目違い継ぎ、ひら金物釘打ち
ひら金物釘打ちは、(公財)日本住宅・木材技術センターが規定する「接合金物規格 (Zマーク表示金物) 」に適合するものとする。
(イ) 腰掛あり継ぎ、ボルト締め
(ウ) 突付け継ぎ、雇いざね及びだぼ (又はボルト) の挿入
(3) 交差部の中央で継手を設ける場合は、図8.4.3により、交差部中央から450mm以内の位置で、だぼ又は通しボルトで補強する。
(4) 継手は、上下に接する材においては同じ位置とならないように設ける。
(5) 継手部分に隙間が生じるおそれのある場合は、あり継手、鎌継手及びさね継手等を用いて、継手からの雨水の浸入がないようにする。
8.4.8 丸太組壁の端部及び開口部周囲の補強方法
(1) 耐力壁の端部及び開口部周囲を、だぼ又は通しボルトにより補強する場合は、8.4.4による孔あけ加工を行う。
(2) 耐力壁の端部及び開口部周囲に補強材を入れて補強する場合の樹種、断面寸法及び取付け方法は、特記による。
8.4.9 仮組立
丸太組壁の仮組立の適用は特記による。
ただし、手加工による丸太組壁加工材は、仮組みを行う。
8.4.10 製品確認
丸太組壁加工材の断面寸法、長さ、丸太組の重なり幅、さね加工の精度、交差部の精度、継手の位置及び加工、接合具の取付け位置等について、全て確認を行い、記録を監督職員に提出する。
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