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2節 材料/10章 木工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

10.2.1 施工一般
10.2.2 木材
10.2.3 合板等
10.2.4 接合具等

10.2.1 施工一般

(1) 木材、合板等は、品質、出荷量等を記録した出荷証明書を、監督職員に提出する。

(2) 含水率

(ア) 木材の含水率は、特記による。
特記がなければ、表10.2.1により、種別はA種とする。

表 10.2.1 木材の含水率

(イ) 含水率の測定は、4.1.4[含水率の測定]による。

(3) 材料のホルムアルデヒド放散量は、4.1.3[ホルムアルデヒド放散量]による。

10.2.2 木材

(1) 製材は、次により、適用は特記による。

(ア) 「製材の日本農林規格」に基づく製材は、次による。

(a) 下地用針葉樹製材は、「製材の日本農林規格」第7条「下地用製材の規格」に基づき、乾燥処理を施した木材とし、樹種、等級と形状 (耳付材・押角) 、寸法、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
特記がなければ、等級は2級とする。

(b) 造作用針葉樹製材は、「製材の日本農林規格」第4条「造作用製材の規格」に基づき、乾燥処理を施した木材とし、樹種、等級と形状 (板類・角類)、寸法、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
特記がなければ、板類における等級は、枠、額縁、敷居、かもい、かまちの類の見え掛り面は上小節、それ以外は小節以上とする。

(c) 広葉樹製材は、「製材の日本農林規格」第8条「広葉樹製材の規格」に基づき、乾燥処理を施した木材とし、樹種、等級、寸法、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
特記がなければ、等級は1等、含水率は、10%以下とする。

(イ) 「製材の日本農林規格」以外の製材は、次による。

(a) 下地に用いる針葉樹製材の樹種、寸法、材面の品質 (形状 (板類・角類) 、節、丸身、曲がり、そり、ねじれ等) 、乾燥処理、防虫処理、難燃処理及び含水率は、特記による。

(b) 造作及び仕上げに用いる針葉樹製材の樹種、寸法、材面の品質 (節、割れ、丸身、曲がり、そり、ねじれ等) 、乾燥処理、防虫処理、難燃処理及び含水率は、特記による。

(c) 造作及び仕上げに用いる広葉樹製材の樹種、寸法、材面の品質 (無欠点裁面、節、木口割れ、丸身、目まわり、千割れ、曲がり、そり、ねじれ等) 、乾燥処理、防虫処理及び含水率は、特記による。

(d) 目視により材の欠点がないことを全て確認し、報告書を監督職員に提出する。
なお、含水率の測定は、4.1.4[含水率の測定]による。

(2) 造作用集成材は、次により、適用は特記による。

(ア) 「集成材の日本農林規格」に基づく造作用集成材等は、次による。

(a) 造作用集成材は、「集成材の日本農林規格」第3条「造作用集成材の規格」に基づき、品名、樹種、見付け材面数、寸法及び見付け材面の品質は、特記による。
特記がなければ、見付け材面の品質は1等とする。

(b) 化粧ばり造作用集成材は、「集成材の日本農林規格」第4条「化粧ばり造作用集成材の規格」に基づき、品名、樹種 (化粧薄板・芯材) 、化粧薄板の厚さ、見付け材面数、寸法及び見付け材面の品質は、特記による。
特記がなければ、見付け材面の品質は1等とする。

(c) 化粧ばり構造用集成柱は、「集成材の日本農林規格」第6条「化粧ばり構造用集成柱の規格」に基づき、品名、樹種 (化粧薄板・芯材) 、寸法、化粧薄板の厚さ及び見付け材面の品質は、特記による。

(イ) 「集成材の日本農林規格」以外の造作用集成材等は、次による。

(a) 造作用集成材の樹種、寸法、見付け材面の品質(欠け及びきず、腐れ、割れ、逆目(仕上材に限る。)、補修その他加工時の欠点) 及び含水率は、特記による。
特記がなければ、含水率は、15%以下とする。

(b) 化粧ばり造作用集成材の樹種 (化粧薄板・芯材) 、寸法、化粧薄板の厚さ、見付け材面の品質 (節(節を化粧の目的としたものを除く。)、やにつぼ等、欠け及びきず、腐れ、割れ、変色及び汚染、穴、逆目、ふくれ等、はぎ目の透き、色調及び木理の不整、補修、その他の欠点) 及び含水率は、特記による。
特記がなければ、含水率は、15%以下とする。

(c) 化粧ばり構造用集成柱の樹種 (化粧薄板・芯材) 、寸法、見付け材面の品質(節、やにつぼ等、欠け及びきず、腐れ、割れ、変色及び汚染、穴、逆目、ふくれ等、色調及び木理の不整、補修、その他の欠点)、化粧薄板の厚さ及び含水率は、特記による。
特記がなければ、含水率は、15%以下とする。

(d) 目視により材の欠点がないことを全て確認し、報告書を監督職員に提出する。

(3) 造作用単板積層材は、次により、適用は特記による。

(ア) 「単板積層材の日本農林規格」に基づく造作用単板積層材は、第3条「造作用単板積層材の規格」に基づき、含水率14%以下とし、品名、寸法及び表面の品質 (表面の化粧加工の有無、表面の化粧加工なしの場合は、等級について、表面の化粧加工の場合は、天然木化粧加工・塗装加工について) 及び防虫処理は、特記による。

(イ) 「単板積層材の日本農林規格」以外の造作用単板積層材は、寸法及び表面の品質 (表面の化粧加工の有無、 (表面の化粧加工なしの場合は、生き節又は死に節、抜け節又は穴、入り皮、やにつぼ、割れ欠け、欠点について、表面の化粧加工の場合は天然木化粧加工、塗装加工について) )含水率及び防虫処理は、特記による。
特記がなければ、含水率は、14%以下とする。
なお、目視により材の欠点がないことを全て確認し、報告書を監督職員に提出する。

(4) 直交集成板は、「直交集成板の日本農林規格」第3条「規格」に基づき、品名、曲げ性能(強度等級)、種別、接着性能(使用環境)、樹種及び寸法は、特記による。

10.2.3 合板等

合板等は、次により、適用は特記による。

(ア) 下地用合板は、次による。

(a) 普通合板は、「合板の日本農林規格」第4条「普通合板の規格」に基づき、含水率14%以下とし、品名、厚さ、接着の程度、板面の品質及び単板の樹種名は、特記による。
特記がなければ、厚さ5.5㎜、接着の程度は1類とし、板面の品質は、広葉樹の場合は2等以上、針葉樹の場合はC-D以上とする。
また、湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を1類とする。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(b) 構造用合板は、「合板の日本農林規格」第6条「構造用合板の規格」に基づき、含水率14%以下とし、品名、厚さ、接着の程度、等級、板面の品質、単板の樹種名及び保存処理は、特記による。
特記がなければ、厚さ12㎜、接着の程度は1類、等級は2級以上、板面の品質はC-D以上とする。
また、屋外又は常時湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を特類とする。
なお、防虫処理及び強度等級を指定する場合は、特記による。

(イ) 化粧ばり構造用合板は、「合板の日本農林規格」第7条「化粧ばり構造用合板の規格」に基づき、含水率14%以下とし、品名、厚さ、単板の樹種名及び接着の程度は、特記による。
また、屋外又は常時湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を特類とする。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(ウ) 天然木化粧合板は、内部の造作に使用するものとし、「合板の日本農林規格」第8条「天然木化粧合板の規格」に基づき、含水率12%以下とし、厚さ、接着の程度及び化粧板に使用する単板の樹種名は、特記による。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(エ) 特殊加工化粧合板は、内部の造作に使用するものとし、「合板の日本農林規格」第9条「特殊加工化粧合板の規格」に基づき、含水率13%以下とし、品名、厚さ、接着の程度、表面性能、単板の樹種名及び化粧加工の方法 (オーバーレイ、プリント、塗装等) は、特記による。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(オ) パーティクルボードは、JIS A 5908 (パーティクルボード) に基づき、表裏面の状態による区分、曲げ強さによる区分、耐水性による区分及び厚さは、特記による。
特記がなければ、厚さ15mm、13Pタイプ又は13Mタイプとする。

(カ) 構造用パネルは、「構造用パネルの日本農林規格」に基づき、含水率13%以下とし、品名及び厚さは、特記による。

(キ) ミディアムデンシティーファイバーボード(MDF)は、JIS A 5905(繊維板)に基づき、表裏面の状態による区分、曲げ強さによる区分、接着剤による区分、難燃性による区分及び厚さは、特記による。

10.2.4 接合具等

(1) 釘は、次による。

(ア) 釘は、JIS A 5508 (くぎ) に基づき、屋外又は湿潤状態となる場所において使用する釘はステンレス製とし、それ以外は表面処理された鉄とする。

(イ) (ア)以外の釘は、特記による。

(ウ) 釘打ち工法

(a) 釘の長さは、打ち付ける板厚の2.5倍以上を標準とする。

(b) 下張材に対する釘の打込み本数は、特記による。
また、斜めに釘を打ち込む場所は、特記による。

(c) 釘は、材の繊維に対して乱に打ち、間隔を大きくとるなど割れを生じないように配慮する。

(d) 下地材と造作材との釘打ちは、次を標準とし、等間隔に打つ。

① 下地材と構造材が交差する箇所に打つ。

② 造作材が下地材と平行する場合は、端部から逃げた位置から、間隔300~450mm程度とする。

③ 板類で幅の広いものは、両耳及びその中間に間隔100mm程度とする。

(e) 造作材化粧面の釘打ちは、隠し釘打ち、釘頭埋め木、つぶし頭釘打ち又は釘頭現しとし、適用は特記による。
特記がなければ、隠し釘打ちとする。

(2) 木ねじは、次による。

(ア) 木ねじは、JIS B 1112 (十字穴付き木ねじ) 又はJIS B 1135 (すりわり付き木ねじ) に基づき、材質はステンレス製とする。

(イ) (ア)以外の木ねじは、特記による。

(3) かすがいは、次による。

(ア) かすがいは、(公財)日本住宅・木材技術センターが規定する「接合金物規格 (Zマーク表示金物) 」に適合するもので、使用環境2の区分のものとする。

(イ) 工法は、次による。

(a) かすがい打込みには、接合両材を密着させ、かすがいを両材に等しく渡し、両肩を交互に打ち込む。

(b) かすがいは、必要に応じて、木部に彫込みとし、表面より沈める。

(4) 接着剤は、接着する材料に適したものとする。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築木造工事標準仕様書 平成31年版 をWebページ化したものです。

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全体目次/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

国土交通省ウェブサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築木造工事標準仕様書 平成31年版 のPDF版をウェブページ化したものです。 この全体目次にすべてのページへのリンクがありますので、このページをブックマークしていただくと、利用していただきやすいと思います。 最終改定 令和 3 年 3 月 25 日 国営木第20号 令和2年6月9日改定版から令和3年3月25日改定版の変更か所 平成31年4月25日改定版から令和2年6月9日改定版の変更か所 PDF版で見つかった記載間違い 各章共通事項 仮設工事 土・地業・基礎工事 木造工事 軸組構法(壁構造系)工事 軸組構法(軸構造系)工事 枠組壁工法工事 丸太組構法工事 CLTパネル工法工事 木工事 防水工事 石工事 タイル工事 屋根及びとい工事 金属工事 左官工事 建具工事 塗装工事 内装工事 断熱・防露、ユニット及びその他の工事 排水工事 舗装工事 植栽工事 資 料 1章 各章共通事項 共通事項 工事関係図書 工事現場管理 材料 施工 工事検査及び技術検査 完成図等 2章 仮設工事 共通事項 縄張り、遣方、足場等 仮設物 仮設物撤去等 3章 土・地業・基礎工事 共通事項 土工事 地業工事 基礎工事 4章 木造工事 共通事項 防腐・防蟻処理 防火被覆処理 5章 軸組構法(壁構造系)工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材の加工 搬入及び建方 軸組 小屋組 床組 壁 6章 軸組構法(軸構造系)工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材の加工 搬入及び建方 軸組 小屋組 床組 7章 枠組壁工法工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材等の加工 搬入及び建方 土台 床枠組 壁枠組 小屋組及び屋根 8章 丸太組構法工事 共通事項 材料

2節 防腐・防蟻処理/4章 木造工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

4.2.1 防腐・防蟻処理 4.2.2 地盤に接する鉄筋コンクリートによる床下の防蟻処理 4.2.3 地盤の土壌の防蟻処理 4.2.4 防腐措置 4.2.1 防腐・防蟻処理 木材の防腐・防蟻処理は、次により、適用部材及び処理の種類は特記による。 (ア) 防腐・防蟻処理が不要な樹種による製材 「製材の日本農林規格」 (平成19年8月29日 農林水産省告示第1083号) 及び「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」 (昭和49年7月8日 農林省告示第600号) に基づく心材の耐久性区分D1の樹種の心材のみを用いた製材は、次の(イ)及び(ウ)による薬剤による処理の適用を省略できる。 (イ) 薬剤の加圧注入による防腐・防蟻処理 (a) 製材等の加圧注入による防腐・防蟻処理は、「製材の日本農林規格」又は「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」の保存処理の性能区分K2からK4までの区分に適合するもの若しくはこれと同等の保存処理性能のものとし、保存処理の性能区分及びインサイジングの適用は特記による。 (b) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1570 (木材保存剤)に基づく加圧注入用木材保存剤又はこれと同等の木材保存剤を用いて、JIS A 9002 (木質材料の加圧式保存処理方法) に基づく加圧式保存処理を行うものとし、インサイジングの適用は特記による。 なお、JIS A 9002に基づく使用薬剤、注入量等の証明書を、監督職員に提出する。 (c) 加圧注入処理を行ったのち、加工、切断、孔あけ等を行った箇所は、(ウ)により処理を行う。 (ウ) 薬剤の塗布等による防腐・防蟻処理 (a) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1571 (木材保存剤―性能基準及びその試験方法) に適合する表面処理用木材保存剤又はこれと同等の性能を有する木材保存剤による処理を行う。 ただし、附属書A(規定)に基づく表面処理用木材保存剤による処理の適用、薬剤の種類及び適用部材は、特記による。 なお、処理に使用した薬剤、使用量等の記録を監督職員に提出する。 (b) 処理の方法は、特記による。 特記がなければ、次による。 ① 処理面の汚れ及び付着物を取り除

4節 透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルト工事/11章 防水工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

11.4.1 一般事項 11.4.2 材料 11.4.3 施工 11.4.1 一般事項 この節は、外壁を取り付ける場合の透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルトを留め付ける工事に適用する。 11.4.2 材料 (1) 透湿防水シートは、JIS A 6111 (透湿防水シート) に規定する透湿防水シートBとする。 (2) 防水テープ (ア) 両面粘着防水テープの幅は、特記による。 特記がなければ50mm幅以上のものを使用し、傷やしわがないものとする。 (イ) 両面粘着防水テープは、製造所が定める使用可能期間以内に使用する。 (ウ) 両面粘着防水テープは、表11.4.1の性能基準に適合し、10年間の防水機能を検証したものとする。 また、片面粘着防水テープは、両面粘着防水テープの性能基準に準ずる製品とする。 (3) 改質アスファルトフェルト 改質アスファルトフェルトは、表11.4.2の品質に適合したものとする。 (4) ステープルは、JIS A 5556 (工業用ステープル) による。 11.4.3 施工 (1) 施工条件 (ア) 降雨・降雪時、降雨・降雪が予想される場合又は降雨・降雪後で下地が未乾燥の場合は、施工を行わない。 (イ) 防腐・防蟻処理された胴縁を使用する場合、透湿防水シート施工後、降雨・降雪等で胴縁及び透湿防水シートを濡らさないよう、直ちに外装材を設置すること。 (ウ) 防水テープの施工は、5℃未満では原則行わない。 (エ) 防水テープの施工は、被着体の乾燥のほか、油分、ほこり、木屑等の汚れを除去したうえで行う。 (2) 透湿防水シート、防水テープ及び先張り防水シートの工法 (ア) 透湿防水シートの施工は、開口部回り、外壁上下端部及び取合い部の雨水処理、水切り取付け等の工事終了後に行う。 (イ) 柱、間柱の間隔、段差、不陸などを確認し、不具合がある場合は修正し、柱・間柱あるいは耐力面材の上に透湿防水シートを張る。 なお、外張断熱工法とする場合は、断熱材の上に張る。 (ウ) 透湿防水シートは、シートを横方向に下部から上部に積み上げる、よろい張りを原則とする。 (a) 重なりは、上下幅90mm以上とする。 左右の重なりは構造用面材がない場合は、柱 (間柱) と間柱 (柱)の間隔 (左