9.5.2 基準巻尺の確認
9.5.3 アンカーボルトの設置等
9.5.4 基礎天端均しモルタルの仕上げ
9.5.5 地組
9.5.6 建方
9.5.7 建方精度
9.5.8 接合部の工法
9.5.9 接合金物の工法
9.5.10 釘及び木ねじの工法
9.5.11 各種ボルトの工法
9.5.12 ラグスクリューの工法
9.5.13 ドリフトピンの工法
9.5.14 養生
9.5.1 材料の搬入
(1) 材料の搬入及び集積に当たり、部材への損傷及び雨掛りがないように留意する。
(2) 搬入日は、原則として、建方を行う日とし、材料は、建方順序に従って工事現場に搬入する。
(3) 加工材は、搬入後建方前に、寸法及び含水率について、監督職員の検査を受ける。
なお、含水率の測定は、4.1.4[含水率の測定]による。
9.5.2 基準巻尺の確認
(1) 木材等の加工工場用巻尺は、JIS B 7512(鋼製巻尺)の1級とする。
(2) 木材等の加工工場用巻尺は、工事現場の検査に用いる基準巻尺と照合して、その誤差が工事に支障のないことを確認する。
9.5.3 アンカーボルトの設置等
(1) アンカーボルトの埋込み深さは、特記による。
(2) アンカーボルトの保持及び埋込み
(ア) アンカーボルトの保持は、形鋼等を用いて正確に行い、移動、下部の振れ等のないように固定する。
(イ) アンカーボルトの保持及び埋込み工法は、表9.5.1により、種別は土台を設ける場合はB種とし、それ以外は、A種とする。
(ウ) アンカーボルトの埋込み位置の許容誤差は、特記による。
特記がなければ、JASS6 付則6[鉄骨精度検査基準]付表5[工事現場](3) に基づき、A種は±2mm、B種は±5mmとする。
(3) アンカーボルトの頭部に衝撃を与えたり、ねじ山を損傷したりしないようにする。
(4) アンカーボルトと土台との緊結は、引抜き応力によって土台のせん断力及び曲げ応力に抵抗するために必要な大きさの座金を用い、座金とナットが十分に締まり、かつ、ねじ山が2~3山出るようにする。
9.5.4 基礎天端均しモルタルの仕上げ
基礎天端均しモルタルは、次による。
(ア) モルタルの材料は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」15.3.2[材料]により、調合は、容積比でセメント1:砂2とする。
(イ) 無収縮モルタルの適用は特記による。
(ウ) モルタルの厚さは、特記による。
(エ) コンクリートの表面は、レイタンス等を取り除いたのち、目荒しを行う。
(オ) 均しモルタルは、CLT壁パネルの建込みに先立ち、その支持に必要な硬練りのモルタル等を、土台又はCLT壁パネル下部に所定の高さに塗り付け、土台又はCLT壁パネルの建込み後、土台又はCLT壁パネル下全面に十分に行きわたるように、適切な方法でモルタルを詰め込む。
9.5.5 地組
小幅パネル架構の接合は、原則として地組とする。
また、地組を行う場合は、寸法精度を保持するための有効な架台、治具等を用いて行う。
9.5.6 建方
(1) 建方は、組立順序及び建方中の構造体の補強の必要性について、十分検討された施工計画書に従って行い、本接合の完了まで、強風、自重、特殊荷重等に対して安全な方法とする。
(2) 仮筋かい等を設け、変位の偏在がないように、安全を確保しながら作業を進める。
(3) 建方中の架構に、材料、機械等の重量物を積載する場合や、特殊な大荷重を負担させる等の場合は、補強の要否等の必要な検討を行い、検討結果を監督職員に提出する。
(4) 木材等の吊上げには、木材等を保護するために布帯等を用いるとともに、吊上げ位置には必要に応じて、保護治具を用いて傷などが付かないよう吊上げ作業を行う。
(5) CLTパネルの吊上げについては、CLTパネルにアイボルトを設置する等の処置を行い、使用するボルト孔は、構造耐力上支障のない接合具用のボルト孔とする。
(6) 吊上げの際に、変形しやすい部材は、適切な補強を行う。
(7) 建方に当たり、十分な能力を有する機器を用い、その設置、整備及び運転を適切に行う。
(8) 架設が完了したCLTパネルは、倒れないように接合部を仮留めする。
9.5.7 建方精度
(1) 建入れ直し後の建方精度の許容値は、特記による。
特記がなければ、垂直、水平の誤差の範囲を1/1,000以下とし、床の天端及び壁の天端の平坦さは、±3mm以下とする。
(2) 建入れ計測は、次による。
(ア) 土台据付け時の水平精度並びにCLT壁パネル及び床の組立時の水平・垂直精度を工程の各要所で、適宜行う。
(イ) 計測は、垂直定規、下げ振り等の道具を用いて、適切な方法で行う。
(3) 建方精度の確認は、建て入れ直し後に行い、監督職員の検査を受ける。
9.5.8 接合部の工法
(1) 接合部に木組みのため、欠き込みを行う場合は、位置と大きさに注意し、部材の構造性能を損なわないようにする。
(2) 接合部の取付けに当たっては、緩みなどが生じないように、締め付ける。
(3) 木組みによる接合をする場合は、その部分に作用する応力を安全に伝達できるようにする。
(4) 構造材を接合する釘並びに木ねじの種類、本数及び間隔は、特記による。
(5) 構造材を仕上材として用いる場合の接合部は、傷がつかないように注意し、接合部からの雨水等の侵入により、よごれ、しみ等が生じないように配慮する。
9.5.9 接合金物の工法
(1) (公財)日本住宅・木材技術センターが規定する接合金物を用いる場合の取付け方法は、規定の仕様による。
(2) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用する接合金物の取付け方法は、特記による。
(3) 熱橋を形成する位置に設置する接合金物は、結露を防止できるよう簡易発泡硬質ウレタンフォーム断熱材、埋め木等により断熱する。
また、簡易発泡硬質ウレタンフォーム断熱材は、市販品とし、JIS A 9526(建築物断熱用吹付硬質ウレタンフォーム)に基づき、ホルムアルデヒド及びフロン類を用いていないものとする。
9.5.10 釘及び木ねじの工法
(1) 部位ごとの釘の種類及び釘打ちの間隔は、特記による。
(2) 釘は、材の繊維に対して乱に打ち、割れを生じないよう配慮する。
(3) 構造材を仕上材として用いる場合の釘打ちは、隠し釘打ち、釘頭埋め木、つぶし頭釘打ち又は釘頭現しとし、適用は特記による。
また、木ねじの留付けは、木ねじ頭埋め木とする。
(4) 木ねじのねじ込みは、適切な道具を用いて行い、ハンマー等では打ち込まない。
(5) 釘及び木ねじは、構造耐力上支障のないものとし、耐力試験の実施については、特記による。
9.5.11 各種ボルトの工法
(1) ボルトの種類、径、本数、間隔、ボルトに応じた座金の大きさ等は、特記による。
(2) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、ねじの損傷、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(3) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(4) ボルト長さは、首下長さとし、ナットの外にねじ山が2~3山以上出るように締め付ける。
(5) ボルトは、必要に応じて木部の彫込みとし、表面より沈める。
(6) ボルトの締付けは、座金が木材等へ軽くめり込む程度とし、過度に締め付けない。
また、1群のボルトの締め付けが一様となるように行う。
(7) 工事中、木材の乾燥収縮等により、緩んだナットは、緩みのないように締め直す。
(8) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用するボルトの取付け方法は、特記による。
(9) 締付け用機器は、ボルトに適したものとし、よく点検整備されたものを用いる。
9.5.12 ラグスクリューの工法
(1) ラグスクリューの形状及び寸法は、特記による。
(2) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、ねじの損傷、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(3) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(4) 締付けに先立ち、ラグスクリューの長さ、材質、呼び径等が施工箇所に適したものであることを確認する。
(5) ラグスクリューの締付けは、スパナ、インパクトレンチ等を用いて、必ず回しながら行う。
また、たたき込みによる挿入は行わない。
(6) 締付けは、ボルト頭が密着し、鋼板の黒皮や錆止め塗装等にボルト頭の傷がつく程度まで行う。
ただし、過度に締め付けない。
(7) ねじ込みが困難な場合には、スクリュー部に潤滑剤や石けんを用いて摩擦抵抗を小さくする。
(8) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用するラグスクリューの取付け方法は、特記による。
9.5.13 ドリフトピンの工法
(1) ドリフトピンの径は、特記による。
(2) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(3) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(4) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(5) ドリフトピンは、たたき込みによりピン孔に挿入する。
(6) ドリフトピン径と孔径が不良のものは、孔径を調整後、ピンを挿入する。
(7) 添え板側材を用いて接合する場合は、側材が脱落しないよう、必要に応じて固定する。
(8) 構造材を仕上材として用いる場合の見え掛り部に使用するドリフトピンの取付け方法は、特記による。
9.5.14 養生
工事中に汚染や損傷などのおそれのある場合は、適切な方法により養生する。
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