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4節 透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルト工事/11章 防水工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

11.4.1 一般事項
11.4.2 材料
11.4.3 施工

11.4.1 一般事項

この節は、外壁を取り付ける場合の透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルトを留め付ける工事に適用する。

11.4.2 材料

(1) 透湿防水シートは、JIS A 6111 (透湿防水シート) に規定する透湿防水シートBとする。

(2) 防水テープ

(ア) 両面粘着防水テープの幅は、特記による。
特記がなければ50mm幅以上のものを使用し、傷やしわがないものとする。

(イ) 両面粘着防水テープは、製造所が定める使用可能期間以内に使用する。

(ウ) 両面粘着防水テープは、表11.4.1の性能基準に適合し、10年間の防水機能を検証したものとする。
また、片面粘着防水テープは、両面粘着防水テープの性能基準に準ずる製品とする。

表 11.4.1 両面粘着防水テープの性能基準

(3) 改質アスファルトフェルト
改質アスファルトフェルトは、表11.4.2の品質に適合したものとする。

表11.4.2 改質アスファルトフェルトの品質

(4) ステープルは、JIS A 5556 (工業用ステープル) による。

11.4.3 施工

(1) 施工条件

(ア) 降雨・降雪時、降雨・降雪が予想される場合又は降雨・降雪後で下地が未乾燥の場合は、施工を行わない。

(イ) 防腐・防蟻処理された胴縁を使用する場合、透湿防水シート施工後、降雨・降雪等で胴縁及び透湿防水シートを濡らさないよう、直ちに外装材を設置すること。

(ウ) 防水テープの施工は、5℃未満では原則行わない。

(エ) 防水テープの施工は、被着体の乾燥のほか、油分、ほこり、木屑等の汚れを除去したうえで行う。

(2) 透湿防水シート、防水テープ及び先張り防水シートの工法

(ア) 透湿防水シートの施工は、開口部回り、外壁上下端部及び取合い部の雨水処理、水切り取付け等の工事終了後に行う。

(イ) 柱、間柱の間隔、段差、不陸などを確認し、不具合がある場合は修正し、柱・間柱あるいは耐力面材の上に透湿防水シートを張る。
なお、外張断熱工法とする場合は、断熱材の上に張る。

(ウ) 透湿防水シートは、シートを横方向に下部から上部に積み上げる、よろい張りを原則とする。

(a) 重なりは、上下幅90mm以上とする。
左右の重なりは構造用面材がない場合は、柱 (間柱) と間柱 (柱)の間隔 (左右の重なり部は、必ず柱・間柱のあるところに留める。)とし、構造用面材がある場合は、150mm以上とする。
ただし、構造用面材の継目部では重ねない。

(b) 出隅・入隅部分でつなぐ場合、左右の重なりは、構造用面材がない場合は、入隅部では両隣の柱 (間柱)があるところに留め、出隅部では両方向とも柱幅程度重ねて留める。
また、構造面材がある場合は、入隅・出隅部とも両方向柱幅程度重ねて留める。
なお、出隅部は、構造用面材の有無に関わらず通して張ることができる。

(c) ステープルの留付けは、継目部間隔300mm程度とし、その他の部分は、たるみ・しわ・破れが生じないようにする。

(エ) 建具回りの施工は、次による。

(a) 外壁開口部の窓台には、建具を取り付ける前に、窓台と両側の柱に掛かるように、先張り防水シートを先張りする。

① 先張り防水シートは、14.2.2[材料](2)による改質アスファルトルーフィング下葺材とする。

② 先張り防水シートは、建具横枠の外幅より大きいものとし、建具を取り付ける前に、台と両側の柱に掛かるように張る。

③ 先張り防水シートと建具下枠のフィンには、両面粘着防水テープは張らない。

④ 先張り防水シートの後から透湿防水シートを差し込む部分は、テープやステープルで固定せず、垂れ下げにして排水しやすい状態にする。

(b) 窓台と柱の入隅部は、水密性を確保するものとし、建具枠材角部防水役物等を用いてすき間が生じないように止水処理を施す。

(c) 建具回りにおいて、両面粘着防水テープを建具枠のフィンと柱や間柱等にまたがるように張る。
また、建具両縦枠、上枠と下から順に張る。
その際、両縦枠の両面粘着防水テープの上端が上枠の両面粘着防水テープを突き抜けないように張る。

(d) 透湿防水シートは、先張り防水シートの下に差し込んで張る。

(e) はく離紙を取り除きながら、透湿防水シートを張り、ローラーやへらで確実に圧着する。

(オ) FRP系塗膜防水工事と建具が取り合う場合の建具の取付けは、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」16.2.5[工法](2)(ウ)による。

(カ) 土台水切り、屋根の雨押さえ水切り部には、透湿防水シートを水切り立上り下端から15mm程度の位置まで被らせ、両面粘着防水テープで留め付ける。

(キ) 軒天井
透湿防水シートは、敷桁の高さまで立ち上げる。
また、けらばに施工する透湿防水シートは、軒天井から100㎜以上立ち上げる。
なお、母屋の直下や垂木がある場合で、透湿防水シートの立上りを確保できない場合は、母屋との取合い部にシーリング材を充填するか又は垂木の下端に防水シートを張り延ばす。

(ク) 換気口及び配管部の処置
換気口及び配管部の処置は、次による。

① 外壁を貫通する換気口及び配管部は、面材に接続パイプの外径に合わせて孔をあけ、室内側のパイプ受けを柱等に取り付ける。

② 面材の孔に合わせて透湿防水シートを切り取り、接続パイプを外部に向けて下向きに固定する。

③ 接続パイプ回りは、エチレンプロピレン製防水ゴムシート等を用いて隙間が生じないように止水処理を施す。
なお、エチレンプロピレンゴム製防水ゴムシートの場合は、中心をパイプ外径の約80%切り抜いた後、接続パイプに押し込み、幅50mm程度の片面粘着防水テープで隙間の生じないように圧着し、防水シートと接合する。
また、エチレンプロピレンゴム製防水ゴムシート等の孔部と接続パイプとの接続部分は、幅15㎜の片面粘着防水テープで隙間の生じないように圧着して接合する。

(ケ) バルコニー手すり
バルコニー手すりの工法は、特記による。
特記がなければ、次による。

① 手すり壁は、通気構法下地とし、10.8.2[外壁通気構法下地]による。

② 透湿防水シートは、手すり壁の両面(外壁面、内部立上り面のそれぞれ)の下端から張り上げる。

③ 手すり壁の躯体天端には、ブチル系の両面粘着防水テープ100㎜程度を張った上で、鞍掛シートを密着して貼り付ける。
なお、鞍掛シートは、14.2.2[材料](2)による改質アスファルトルーフィング下葺材とし、手すり壁上端で折り曲げ、手すり壁の外側及び内側に100㎜程度立ち下げる。

④ 手すり壁と外壁との接合部は、手すり壁の鞍掛シートを外壁に張りかけ、鞍掛けシートと同質材で、手すり壁の幅分を切り取ったシートを外壁に張り、さらに、手すり壁と外壁が形成する角部については、水密性を確保するものとし、角部防水役物等を用いてすき間が生じないように止水処理を施す。
その上から外壁の透湿防水シートを張る。

⑤ 手すり壁に設ける笠木は、アルミニウム製とし、固定方法、形状及び仕上げは、特記による。
なお、アルミニウム製笠木を釘又はビスで固定する場合は、笠木受け用金物の孔の上端及び下端でシーリングを充填し、止水措置をする。

(コ) 屋根 (軒・けらば) の壁当たり

(a) 屋根下葺材は、14.2.2[材料](2)による改質アスファルトルーフィング材とする。

(b) 屋根下葺材をあらかじめ屋根と壁の間に先張りする。

(c) 屋根面と壁面立上げ部の巻き返し長さは、250mm以上、かつ、雨押さえ上端から50㎜以上とする。

(d) 先張りした屋根下葺材の下端は、透湿防水シートを差し込み、重ね幅90㎜以上とする。

(e) 軒先水切り及びけらば水切りの壁当たり部分は、モルタルを隙間なく塗りつけるか、シーリング材を充填する。

(サ) 庇 (軒・けらば) の壁当たり

(a) 屋根下葺材は、14.2.2[材料](2)による改質アスファルトルーフィング下葺材とする。

(b) 屋根下葺材をあらかじめ庇と壁の間に先張りし、建具まで張り下げ、両面粘着テープで建具釘打ちフィンに留め付ける。

(c) 屋根面と壁面立上げ部の巻き返し長さは、250mm以上、かつ、雨押さえ上端より50㎜以上とする。

(d) 庇の腕木を躯体から持ち出す場合、腕木回りの通気層の内側は屋根下葺材を張り、腕木四方は防水テープを張る。
また、先張りした屋根下葺材は、建具まで張り下げ、両面粘着テープで建具釘打ちフィンに留め付ける。

(e) 庇の水切りと壁当たり部分は、(コ)(e)による。

(シ) 通気構法二層モルタル下地に用いる防水紙は、改質アスファルトフェルトとし、工法は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」15.2.4[ラス系下地](4)(ア)①による。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築木造工事標準仕様書 平成31年版 をWebページ化したものです。

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2節 防腐・防蟻処理/4章 木造工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

4.2.1 防腐・防蟻処理 4.2.2 地盤に接する鉄筋コンクリートによる床下の防蟻処理 4.2.3 地盤の土壌の防蟻処理 4.2.4 防腐措置 4.2.1 防腐・防蟻処理 木材の防腐・防蟻処理は、次により、適用部材及び処理の種類は特記による。 (ア) 防腐・防蟻処理が不要な樹種による製材 「製材の日本農林規格」 (平成19年8月29日 農林水産省告示第1083号) 及び「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」 (昭和49年7月8日 農林省告示第600号) に基づく心材の耐久性区分D1の樹種の心材のみを用いた製材は、次の(イ)及び(ウ)による薬剤による処理の適用を省略できる。 (イ) 薬剤の加圧注入による防腐・防蟻処理 (a) 製材等の加圧注入による防腐・防蟻処理は、「製材の日本農林規格」又は「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」の保存処理の性能区分K2からK4までの区分に適合するもの若しくはこれと同等の保存処理性能のものとし、保存処理の性能区分及びインサイジングの適用は特記による。 (b) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1570 (木材保存剤)に基づく加圧注入用木材保存剤又はこれと同等の木材保存剤を用いて、JIS A 9002 (木質材料の加圧式保存処理方法) に基づく加圧式保存処理を行うものとし、インサイジングの適用は特記による。 なお、JIS A 9002に基づく使用薬剤、注入量等の証明書を、監督職員に提出する。 (c) 加圧注入処理を行ったのち、加工、切断、孔あけ等を行った箇所は、(ウ)により処理を行う。 (ウ) 薬剤の塗布等による防腐・防蟻処理 (a) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1571 (木材保存剤―性能基準及びその試験方法) に適合する表面処理用木材保存剤又はこれと同等の性能を有する木材保存剤による処理を行う。 ただし、附属書A(規定)に基づく表面処理用木材保存剤による処理の適用、薬剤の種類及び適用部材は、特記による。 なお、処理に使用した薬剤、使用量等の記録を監督職員に提出する。 (b) 処理の方法は、特記による。 特記がなければ、次による。 ① 処理面の汚れ及び付着物を取り除