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9節 壁/5章 軸組構法(壁構造系)工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

5.9.1 非耐力壁

(1) 柱の端部と横架材との仕口の形状、留付け釘の種類、留付け方法並びに接合金物及び接合具の種類は特記による。

(2) 隅柱と土台との仕口の形状、留付け方法並びに接合金物及び接合具の種類は特記による。

5.9.2 軸組耐力壁

(1) 材料等

(ア) 筋かいの樹種、断面寸法及び形状は、特記による。

(イ) 木ずりの樹種、断面寸法及び取付け位置は、特記による。

(ウ) 鉄筋筋かいの材料は、特記による。
なお、表面処理は、5.2.4(1)(c)④による。

(エ) 軸組耐力壁の種類により、留付け方法並びに接合金物及び接合具の種類は特記による。

(2) 工法

(ア) 軸組耐力壁の種類に応じて、筋かいの端部における仕口の形状は、引張耐力を有する接合方法とし、特記による。

(イ) 軸組の柱の柱脚及び柱頭の仕口の形状は、特記による。

(ウ) 木ずりの留付け方法は、5.6.11(2)及び(3)による。

(エ) 鉄筋筋かいの工法は、特記による。

5.9.3 大壁造の面材耐力壁

(1) 材料等

(ア) 構造用面材による大壁造の面材耐力壁の構造用面材の種類、材料等は、表5.9.1により、耐力壁の種類の適用、構造用面材の厚さ、留付け釘の種類及び釘打ち間隔は、特記による。

表 5.9.1 大壁造の面材耐力壁の構造用面材の種類、材料等

(イ) 構造用面材の下地に用いる胴縁及び受材は、次による。

(a) 樹種及び断面寸法は、特記による。

(b) 胴縁及び受材は、柱及び間柱に留め付ける。
留付け釘の種類及び釘打ち間隔は、特記による。

(2) 工法

(ア) 構造用面材は、柱又は間柱及び土台、梁、桁その他の横架材に、釘で留め付ける。

(イ) 上下階部の上下同位置に構造用面材の耐力壁を設ける場合は、胴差部において、構造用面材相互間に、原則として、5~6mm以上の空きを設ける。

(ウ) 構造用面材を横張り又は縦張りとする場合で、やむを得ず、梁、柱等以外で継ぐ場合は、間柱又は胴縁を設ける。

(エ) 構造用合板、硬質木片セメント板、パルプセメント板、構造用せっこうボードA種、構造用せっこうボードB種、せっこうボード、強化せっこうボード及びシージングボードの張り方は、原則として、横架材間をこれらの1枚の面材で、縦張りとする。
また、継目が出る場合は、受材を設け、面材を確実に固定する。

(オ) パーティクルボード、構造用パネル及びハードボードの張り方は、(エ)により、胴差部分以外の継目部分は、2~3mmの空きを設ける。

(カ) ラスシートの張り方は、横張りとし、土台から壁上端部まで張り付ける。
また、ラスシートの施工は、次による。

(a) 見切りの各部には、水切り又は雨押えを設ける。

(b) 継目は、横重ね代を一山重ねとし、縦重ね代を30mm以上とする。

(c) 開口部等でラスシートを切り抜く場合は、事前に鉄板を短く、ラスを長くなるよう切断し、巻き込む。

(d) 留付けは、径24mm以上の座金付きの釘又は径24mm以上の座金付きのJIS B 1125 (ドリリングタッピンねじ) に適合するドリリングタッピンねじにより、留付け間隔は、特記による。

5.9.4 床勝ち大壁造の面材耐力壁

(1) 材料等

(ア) せっこうボード類による床勝ち大壁造の面材耐力壁の構造用面材の種類は、表5.9.2により、屋外壁等以外に用いる場合とし、耐力壁の種類の適用、構造用面材の厚さ、留付け釘の種類及び釘打ち間隔は、特記による。

表 5.9.2 床勝ちとなる大壁造の面材耐力壁の構造用面材の種類、材料等

(イ) せっこうボード類の下地に用いる受材の樹種、断面寸法、留付け釘の種類及び釘打ち間隔は、特記による。

(2) 工法

(ア) 下部の受材は、床構造用面材の上から梁、桁、土台その他の横架材に留め付ける。

(イ) せっこうボード類の留付け方法及び工法については、5.9.3(2)による。

5.9.5 真壁造の面材耐力壁

(1) 材料等

(ア) 構造用面材による真壁造の面材耐力壁の構造用面材の種類、材料等は、表5.9.3により、耐力壁の種類の適用、構造用面材の厚さ、留付け釘の種類及び釘打ち間隔は、特記による。

表5.9.3 真壁造の面材耐力壁の構造用面材の種類、材料等

(イ) 構造用面材の下地に用いる受材、貫の樹種及び断面寸法は、特記による。

(2) 工法

(ア) 構造用面材の下地に受材を用いる場合の工法は、次による。

(a) 受材は、柱、梁、桁、土台その他の横架材に留め付ける。
留付け釘の種類及び釘打ち間隔は、特記による。

(b) 軸組の柱と横架材に沿って受材を設けた構造用面材の張り方は、5.9.3(2)による。

(c) 構造用面材は、受材、間柱又は胴つなぎに留め付ける。

(d) 構造用面材を受材以外で継ぐ場合の間柱及び胴つなぎの樹種並びに断面寸法は、特記による。

(イ) 構造用面材の下地に貫を用いる場合の工法は、次による。

(a) 貫の本数は、5本以上とし、特記による。

(b) 最上段の貫とその直上の横架材との間隔及び最下段の貫とその直下の横架材との間隔は、特記による。

(c) 貫を柱に差し通す場合の留付け方法は、特記による。

(d) 貫の継手は、おおむね柱心で突付けとする。

(e) 柱との仕口の形状及び留付け釘の種類は特記による。

(f) 構造用面材の張り方は、原則として、横張りとし、貫に留付け釘で留め付ける。

(g) 構造用面材を継ぐ場合は、貫上で行う。

5.9.6 真壁造土塗り壁耐力壁

(1) 材料等

(ア) 貫の樹種及び断面寸法は、特記による。

(イ) 間渡し竹は、幅20mm以上の割り竹又は小径12mm以上の丸竹とし、品質は、割れ、かび、虫害及び腐食のないもので、種類は、マダケ (割り竹で肉厚2.5mmから4mmまでのもの)又はシノチク (丸竹) とし、適用は特記による。

(ウ) こまい竹は、幅20mm以上の割り竹とする。

(エ) 荒壁土は、100Lの荒木田土等の砂質粘土と、0.4kg以上、かつ、0.6kg以下のわらすさを混合したものとする。

(オ) 中塗り土は、100Lの荒木田土等の砂質粘土と、60L以上、かつ、150L以下の砂及び0.4kg以上、かつ、0.8kg以下のわらすさを混合したものとする。

(2) 工法

(ア) 貫の本数は、3本以上とし、特記による。

(イ) 横貫と柱の接合又は縦貫と橫架材の接合方法は、特記による。

(ウ) 間渡し竹と柱及び橫架材との接合方法は、特記による。

(エ) こまい竹は、間渡し竹に縄で縛りつける。

(オ) 土塗り壁の塗り厚さは、特記による。

5.9.7 面格子壁耐力壁

(1) 材料等

(ア) 樹種、断面寸法及び格子の間隔は、特記による。

(イ) 面格子に用いる構造用製材の含水率は、15%以下とする。

(2) 工法

(ア) 格子同士の仕口は、相欠きとし、加工精度は、隙間がないものとする。

(イ) 留付け釘の種類及び木ねじの種類は特記による。

(ウ) 面格子と柱、橫架材との仕口の形状及び留付け方法は、特記による。

5.9.8 落とし込み板壁耐力壁

(1) 材料等

(ア) 樹種及び断面寸法は、特記による。

(イ) 落とし込み板に用いる構造用製材の含水率は、15%以下とする。

(ウ) 木だぼは、5.2.4(6)により、適用は特記による。

(エ) 鋼材だぼは、JIS G 3112 (鉄筋コンクリート用棒鋼) に基づくSR235、SD295A又はこれらと同等以上の強度を有するものとし、適用は特記による。
なお、表面処理は、5.2.4(1)(c)④による。

(2) 工法

(ア) 軸組の柱間隔は、180cm以上、かつ、230cm以下とし、柱に加工する溝は、板との間の隙間が3mm以内とする。

(イ) 板と梁、桁、土台その他の橫架材との隙間は、3mm以内とする。

(ウ) 板同士の接合のため、62mm以内の間隔で、だぼを3本以上打込む。
だぼ径同寸の孔あけをし、接合相手の板に、だぼ径の3倍以上の打込み長さ及びだぼ径同寸の孔あけをする。

(エ) だぼ接合は、接合相手の板と穴位置を一致させ、遊びがないようだぼを打ち込む。

(オ) 板材の幅が小さい場合は、板材の上下でだぼ接合部の位置を千鳥に配置する。

5.9.9 大臣認定耐力壁

国土交通大臣が認定した耐力壁の適用は特記により、材料及び工法は、認定内容による。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築木造工事標準仕様書 平成31年版 をWebページ化したものです。

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全体目次/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

国土交通省ウェブサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築木造工事標準仕様書 平成31年版 のPDF版をウェブページ化したものです。 この全体目次にすべてのページへのリンクがありますので、このページをブックマークしていただくと、利用していただきやすいと思います。 最終改定 令和 3 年 3 月 25 日 国営木第20号 令和2年6月9日改定版から令和3年3月25日改定版の変更か所 平成31年4月25日改定版から令和2年6月9日改定版の変更か所 PDF版で見つかった記載間違い 各章共通事項 仮設工事 土・地業・基礎工事 木造工事 軸組構法(壁構造系)工事 軸組構法(軸構造系)工事 枠組壁工法工事 丸太組構法工事 CLTパネル工法工事 木工事 防水工事 石工事 タイル工事 屋根及びとい工事 金属工事 左官工事 建具工事 塗装工事 内装工事 断熱・防露、ユニット及びその他の工事 排水工事 舗装工事 植栽工事 資 料 1章 各章共通事項 共通事項 工事関係図書 工事現場管理 材料 施工 工事検査及び技術検査 完成図等 2章 仮設工事 共通事項 縄張り、遣方、足場等 仮設物 仮設物撤去等 3章 土・地業・基礎工事 共通事項 土工事 地業工事 基礎工事 4章 木造工事 共通事項 防腐・防蟻処理 防火被覆処理 5章 軸組構法(壁構造系)工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材の加工 搬入及び建方 軸組 小屋組 床組 壁 6章 軸組構法(軸構造系)工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材の加工 搬入及び建方 軸組 小屋組 床組 7章 枠組壁工法工事 共通事項 材料 防腐・防蟻処理 木材等の加工 搬入及び建方 土台 床枠組 壁枠組 小屋組及び屋根 8章 丸太組構法工事 共通事項 材料

2節 防腐・防蟻処理/4章 木造工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

4.2.1 防腐・防蟻処理 4.2.2 地盤に接する鉄筋コンクリートによる床下の防蟻処理 4.2.3 地盤の土壌の防蟻処理 4.2.4 防腐措置 4.2.1 防腐・防蟻処理 木材の防腐・防蟻処理は、次により、適用部材及び処理の種類は特記による。 (ア) 防腐・防蟻処理が不要な樹種による製材 「製材の日本農林規格」 (平成19年8月29日 農林水産省告示第1083号) 及び「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」 (昭和49年7月8日 農林省告示第600号) に基づく心材の耐久性区分D1の樹種の心材のみを用いた製材は、次の(イ)及び(ウ)による薬剤による処理の適用を省略できる。 (イ) 薬剤の加圧注入による防腐・防蟻処理 (a) 製材等の加圧注入による防腐・防蟻処理は、「製材の日本農林規格」又は「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」の保存処理の性能区分K2からK4までの区分に適合するもの若しくはこれと同等の保存処理性能のものとし、保存処理の性能区分及びインサイジングの適用は特記による。 (b) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1570 (木材保存剤)に基づく加圧注入用木材保存剤又はこれと同等の木材保存剤を用いて、JIS A 9002 (木質材料の加圧式保存処理方法) に基づく加圧式保存処理を行うものとし、インサイジングの適用は特記による。 なお、JIS A 9002に基づく使用薬剤、注入量等の証明書を、監督職員に提出する。 (c) 加圧注入処理を行ったのち、加工、切断、孔あけ等を行った箇所は、(ウ)により処理を行う。 (ウ) 薬剤の塗布等による防腐・防蟻処理 (a) 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1571 (木材保存剤―性能基準及びその試験方法) に適合する表面処理用木材保存剤又はこれと同等の性能を有する木材保存剤による処理を行う。 ただし、附属書A(規定)に基づく表面処理用木材保存剤による処理の適用、薬剤の種類及び適用部材は、特記による。 なお、処理に使用した薬剤、使用量等の記録を監督職員に提出する。 (b) 処理の方法は、特記による。 特記がなければ、次による。 ① 処理面の汚れ及び付着物を取り除

4節 透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルト工事/11章 防水工事/平成31年版 公共建築木造工事標準仕様書

11.4.1 一般事項 11.4.2 材料 11.4.3 施工 11.4.1 一般事項 この節は、外壁を取り付ける場合の透湿防水シート、防水テープ及び改質アスファルトフェルトを留め付ける工事に適用する。 11.4.2 材料 (1) 透湿防水シートは、JIS A 6111 (透湿防水シート) に規定する透湿防水シートBとする。 (2) 防水テープ (ア) 両面粘着防水テープの幅は、特記による。 特記がなければ50mm幅以上のものを使用し、傷やしわがないものとする。 (イ) 両面粘着防水テープは、製造所が定める使用可能期間以内に使用する。 (ウ) 両面粘着防水テープは、表11.4.1の性能基準に適合し、10年間の防水機能を検証したものとする。 また、片面粘着防水テープは、両面粘着防水テープの性能基準に準ずる製品とする。 (3) 改質アスファルトフェルト 改質アスファルトフェルトは、表11.4.2の品質に適合したものとする。 (4) ステープルは、JIS A 5556 (工業用ステープル) による。 11.4.3 施工 (1) 施工条件 (ア) 降雨・降雪時、降雨・降雪が予想される場合又は降雨・降雪後で下地が未乾燥の場合は、施工を行わない。 (イ) 防腐・防蟻処理された胴縁を使用する場合、透湿防水シート施工後、降雨・降雪等で胴縁及び透湿防水シートを濡らさないよう、直ちに外装材を設置すること。 (ウ) 防水テープの施工は、5℃未満では原則行わない。 (エ) 防水テープの施工は、被着体の乾燥のほか、油分、ほこり、木屑等の汚れを除去したうえで行う。 (2) 透湿防水シート、防水テープ及び先張り防水シートの工法 (ア) 透湿防水シートの施工は、開口部回り、外壁上下端部及び取合い部の雨水処理、水切り取付け等の工事終了後に行う。 (イ) 柱、間柱の間隔、段差、不陸などを確認し、不具合がある場合は修正し、柱・間柱あるいは耐力面材の上に透湿防水シートを張る。 なお、外張断熱工法とする場合は、断熱材の上に張る。 (ウ) 透湿防水シートは、シートを横方向に下部から上部に積み上げる、よろい張りを原則とする。 (a) 重なりは、上下幅90mm以上とする。 左右の重なりは構造用面材がない場合は、柱 (間柱) と間柱 (柱)の間隔 (左