8.5.2 基準巻尺の確認
8.5.3 アンカーボルトの設置等
8.5.6 だぼの工法
8.5.7 通しボルトの工法
8.5.8 ジャッキボルトの工法
8.5.9 垂木用スライド金物の工法
8.5.10 丸太組壁用木材の欠込み
8.5.11 釘及び木ねじの工法
8.5.12 各種ボルトの工法
8.5.13 養生
8.5.1 材料の搬入
(1) 材料の搬入及び集積に当たり、部材への損傷及び雨掛りがないように留意する。
(2) 搬入日は、原則として、建方を行う日とする。
(3) 加工材は、搬入後建方前に、寸法及び含水率について、監督職員の検査を受ける。
なお、含水率の測定は、4.1.4[含水率の測定]による。
8.5.2 基準巻尺の確認
(1) 木材等の加工工場用巻尺は、JIS B 7512(鋼製巻尺)の1級とする。
(2) 木材等の加工工場用巻尺は、工事現場の検査に用いる基準巻尺と照合して、その誤差が工事に支障のないことを確認する。
8.5.3 アンカーボルトの設置等
(1) アンカーボルトの埋込み深さは、特記による。
(2) アンカーボルトの保持及び埋込み
(ア) アンカーボルトの保持は、形鋼等を用いて正確に行い、移動、下部の振れ等のないように固定する。
(イ) アンカーボルトの保持及び埋込み工法は、表8.5.1により、種別は特記による。
(ウ) アンカーボルトの埋込み位置の許容誤差は、特記による。
特記がなければ、JASS6付則6[鉄骨精度検査基準]付表5[工事現場](3)に基づき、±5mmとする。
(3) アンカーボルトの頭部に衝撃を与えたり、ねじ山を損傷したりしないようにする。
(4) アンカーボルトと土台との緊結は、丸太組壁又は柱の引抜き応力によって土台のせん断力及び曲げ応力に抵抗するために必要な大きさの座金を用い、座金とナットが十分に締まり、かつ、ねじ山が2~3山出るようにする。
8.5.4 基礎天端及び柱底均しモルタルの仕上げ
基礎天端及び柱底均しモルタルは、次による。
(ア) モルタルの材料は、「公共建築工事標準仕様書 (建築工事編) 」15.3.2[材料]により、調合は、容積比でセメント1:砂2とする。
(イ) 無収縮モルタルの適用は特記による。
(ウ) モルタルの厚さは、特記による。
(エ) コンクリートの表面は、レイタンス等を取り除いたのち、目荒しを行う。
8.5.5 建方
(1) 丸太組壁用木材は、先付けされた符号に基づき、正確に積み上げる。
(2) 建方中の軸組架構に、材料、機械等の重量物を積載する場合や、特殊な大荷重を負担させる場合は、補強の要否等の必要な検討を行い、検討結果を監督職員に提出する。
(3) 加工材等の吊上げには、加工材等を保護するために、布帯等を用いるとともに、吊上げ位置には必要に応じて、保護治具を用いて傷等がつかないように、吊上げ作業を行う。
(4) 建方に当たり、十分な能力を有する機器を用い、その設置、整備及び運転を適切に行う。
8.5.6 だぼの工法
(1) 木だぼの工法
(ア) だぼの本数及び間隔等は、特記による。
(イ) 孔あけは、原則として、加工工場でドリルあけとする。
(ウ) だぼは、包装のまま施工場所まで運搬し、施工直前に包装を解く。
(エ) だぼの管理及び取扱いは、丁寧に行い、雨ぬれや破損のないようにする。
(オ) だぼの先端は、たたくなどして丸みを付け、たたき込みしやすくする。
(カ) だぼは、打込みにより、精度良くたたき込みをする。
(キ) 上下のだぼの位置は、図8.5.1のように千鳥配置とする。
(ク) だぼの打込み長さは、図8.5.1のように丸太組壁用木材の各々の見付け高さに1/2以上打ち込むものとする。
(2) 鋼製だぼの工法
(ア) だぼの本数及び間隔等は、特記による。
(イ) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(ウ) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(エ) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(オ) だぼのだぼ孔への密着の程度を確認しながら挿入する。
(カ) 上下のだぼの位置は、図8.5.1のように千鳥配置とする。
(キ) だぼの挿入長さは、図8.5.1のように丸太組壁用木材の各々の見付け高さに1/2以上挿入する。
(3)ラグスクリューだぼの工法
(ア) ラグスクリューの形状、寸法、本数、間隔及び下孔に応じた座金の大きさ等は、特記による。
(イ) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(ウ) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(エ) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(オ) 締付けに先立ち、ラグスクリューの長さ、材質、呼び径等が施工箇所に適したものであることを確認する。
(カ) ラグスクリューの締付けは、スパナ、インパクトレンチ等を用いて、必ず回しながら行う。
また、たたき込みによる挿入は行わない。
(キ) 上下のだぼの位置は、図8.5.1のように千鳥配置とする。
(ク) ラグスクリューの挿入長さは、丸太組壁用木材の各々の見付け高さに1/2以上挿入する。
(ケ) ボルト頭は必要に応じて木部の彫込みとし、表面より沈める。
(コ) 締付けは、ボルト頭が密着し、丸太組壁用木材の座金が下孔の周辺にめり込む程度まで行う。
ただし、過度に締め付けない。
8.5.7 通しボルトの工法
(1) 通しボルトは、図8.5.2のように、突出し部分を除き、耐力壁の最上部から土台を貫くように設ける。
なお、突出し部分に通しボルトを設ける場合は、近接するアンカーボルトは、最下段の丸太を貫くように設ける。
(2) 通しボルトの種類、径、本数、間隔、ボルトに応じた座金の大きさ等は、特記による。
(3) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(4) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、ねじの損傷、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(5) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(6) ボルト長さは、首下長さとし、ナットの外にねじ山が2~3山以上出るように締め付ける。
(7) ボルトは必要に応じて木部の彫込みとし、表面より沈める。
(8) 見え掛りへの通しボルトの取付けは、断面欠損に配慮しながら、座金及びナット部分の大きさを彫り込み、緩み直し締付け後、笠木等で仕上げ、増締めの際に笠木が着脱できるようにする。
(9) 通しボルトの締付け及び増締め
(ア) 通しボルトの締付け及び増締めを土台下及び突出し部等の丸太材下で行う場合には、通しボルトの上端部は、次の方法で固定する。
(a) 丸太組壁用木材に彫込みを行い、座金を埋め込むか又は座金が回転しないように釘を打つ。
(b) 通しボルトの座金とナットを溶接又はダブルナット等で一体化する。
(イ) 通しボルトを耐力壁の上端部及び中間部で締付け及び増締めする場合の工法は、特記による。
(ウ) 通しボルトは、耐力壁を構成する丸太組壁用木材の積上げが完了したときに締付けを行い、さらに、次の時期に増締めを行う。
(a) 屋根工事が完了した時
(b) 工事完成時
(c) 工事完成後6箇月、1年及び2年とする。
(d) (a)から(c)まで以外の時期で増締めを行う場合は、特記による。
8.5.8 ジャッキボルトの工法
(1) 丸太組壁の収縮(セトリング) に応じてナットの位置を調整し、ジャッキボルトを含めた柱長さの調整を行えるようにする。
(2) ジャッキボルトの耐力壁を構成する丸太組壁用木材の積上げが完了したときに締付けを行い、さらに、次の時期に増締めを行う。
(ア) 屋根工事が完了した時
(イ) 工事完成時
(ウ) 工事完成後6箇月、1年及び2年とする。
(エ) (ア)から(ウ)まで以外の時期で増締めを行う場合は、特記による。
8.5.9 垂木用スライド金物の工法
(1) 切妻屋根の妻壁を丸太組壁とする場合に、妻壁の収縮に応じて垂木が桁梁上をスライドするように、スライド余長を取って金物を取り付ける。
(2) 取付け木ねじ及び釘の径、長さ及び本数は、特記による。
8.5.10 丸太組壁用木材の欠込み
(1) 開口上部まぐさ丸太組壁には、開口部を設けない。
(2) 横架材を取り付けるなど、部分的に欠き込む場合の欠込み断面積は、図8.5.4 により、丸太組壁用木材の断面積の1/3以下、かつ、欠込み後の断面積は105cm2 以上とする。
(3) 間仕切壁下地の間柱を取り付けるなど、やむを得ず耐力壁を構成する丸太組壁用木材を上下に通して欠き込みを行う場合の欠込み断面積は、丸太組壁用木材の断面積の1/3以下、かつ、欠込み後の断面積は105cm2以上とする。
(4) 耐力壁へ換気口等の小開口部を設ける場合等の開口部の大きさは、幅及び高さ400mm以下、かつ、丸太組壁用木材の3段以下とし、これを超える場合は、8.9.8(5)によって補強する。
8.5.11 釘及び木ねじの工法
(1) 部位ごとの釘の種類及び釘打ちの間隔は、特記による。
(2) 釘は、材の繊維に対して乱に打ち、割れを生じないよう配慮する。
(3) 構造材を仕上材として用いる場合の釘打ちは、隠し釘打ち、釘頭埋め木、つぶし頭釘打ち又は釘頭現しとし、適用は特記による。
また、木ねじの留付けは、木ねじ頭埋め木とする。
(4) 木ねじのねじ込みは、適切な道具を用いて行い、ハンマー等により打ち込まない。
8.5.12 各種ボルトの工法
(1) ボルトの種類、径、本数、間隔及びボルトに応じた座金の大きさ等は、特記による。
(2) 孔あけは、加工工場でのドリルあけを原則とする。
(3) 製品の管理及び取扱いは、丁寧に行い、ねじの損傷、錆の発生、異物の付着、汚れ等のないようにする。
(4) 製品は、未開封の状態で搬入し、使用の直前に包装を開封する。
(5) ボルト長さは、首下長さとし、ナットの外にねじ山が2山以上出るように締め付ける。
(6) ボルトは必要に応じて木部の彫込みとし、表面より沈める。
ただし、彫込みの深さは、構造耐力上の影響を及ぼさないよう、最小限とする。
(7) 工事中、木材の乾燥収縮等により、緩んだナットは、緩みのないように締め直す。
(8) ボルトの締付けは、座金が木材等へ軽くめり込む程度とし、過度に締め付けない。
また、1群のボルトの締め付けが一様となるように行う。
(9) 構造材を仕上材として用いる場合のボルトの取付けは、原則として、見え掛りでない箇所とし、見え掛り箇所での取付けは、断面欠損に配慮しながら、座金及びナット部分の大きさを彫り込み、緩み直し締付け後、埋め木等で仕上げる。
(10) 締付け用機器は、ボルトに適したものとし、よく点検整備されたものを用いる。
8.5.13 養生
(1) 水はけが良く風通しの良い場所に敷桟を敷き、使用する順番を考慮して材を積み上げる。
(2) 養生シートを全体に掛け、ロープ等で固定する。
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