20.3.1 一般事項
(1) 適用範囲
この節は、木造建築物の高さ13m以下の外壁に適用する窯業系サイディング、複合金属サイディングに通気構法を用いる外壁工事に適用する。
(2) 基本要求品質
(ア) 窯業系サイディング及び複合金属サイディングの工事に用いる材料は、所定のものであること。
(イ) 窯業系サイディング及び複合金属サイディングで構成された部位は、所定の形状及び寸法を有し、所定の位置に設けられていること。
また、仕上り面は、所要の状態であること。
(ウ) 窯業系サイディング及び複合金属サイディングで構成された部位は、耐久性、耐火性、耐震・耐風圧、防水等に対し所要の性能を有し、取合い部は有害な欠陥がないこと。
20.3.2 窯業系サイディング工事
(1) 材料
(ア) サイディング材は、JIS A 5422 (窯業系サイディング) に基づき、種類、形状、働き長さ・働き幅、厚さ、表面仕上げ、耐凍害性能及び防火・耐火性能は、特記による。
(イ) 土台水切り、中間水切り、目地ジョイナー、取付け金物、釘、スターターは、製造所の指定する製品とする。
(ウ) 接合材の材質、形状、寸法は、サイディング製造所の指定する製品とする。
(エ) 通気胴縁
(a) 樹種及び寸法は、特記による。
特記がなければ、樹種は杉とする。
(b) 防腐処理を行う場合は、特記による。
(オ) 透湿防水シート及び防水テープ
(a) 透湿防水シートは、11.4.2[材料](1)による。
(b) 両面粘着防水テープ及び片面粘着テープは、11.4.2[材料](2)による。
(カ) シーリング材は、11章3節[シーリング]による。
(キ) その他の材料は、サイディング製造所の指定するものとする。
(2) 通気構法下地は、10.8.2[外壁通気構法下地]による。
(3) 窯業系サイディングの施工は、次による。
(ア) サイディングの張り方は、縦張り工法又は横張り工法とし、特記による。
(イ) サイディングの加工は、次による。
(a) 開口部でサイディングを切り欠く場合、切欠き部の残りの板幅が100mm未満になる場合は、あらかじめ切断し、ドリルで先孔をあけて留め付ける。
また、切断して取り付ける箇所には、胴縁を入れてシーリング目地を設ける。
(b) シーリングを施工しない切断小口は、小口防水用シーラーを塗布する。
シーラーは、サイディング製造所の指定するものとする。
(ウ) サイディングの取付けは、釘、留付け金具等により取り付け、工法は次による。
(a) 金具留め
① 金具留め工法によるサイディングは、厚さ15mm以上とする。
② 留付け金具は、胴縁に留め付け、釘又は木ねじで固定する。
ただし、通気胴縁を要さない通気留付け金具を用いる場合の留付けは、10.8.2[外壁通気構法下地](ウ)の通気胴縁の留付けによる。
なお、使用金具及び固定方法は、サイディング製造所の仕様による。
③ 土台部のスターター留付け金具は、水平に留め付ける。
④ サイディングの下端は、土台水切りから10~15mmの隙間をあけて施工する。
⑤ 高基礎やバルコニー手すり壁など高い位置から張り始める場合は、釘を併用するなどして補強する。
⑥ 横張りサイディングの左右の接合部には金具留め工法用目地ジョイナーを使用し、シーリング目地を設ける。
⑦ 出隅部は、出隅役物及びサイディングをサイディング製造所の役物仕様により取り付け、左右の接合部には、シーリング目地を設ける。
⑧ 入隅部は、柱に受材を取り付け、縦胴縁を留め付けた後、捨て入隅を取り付ける。
また、接合部には目地用ジョイナーを取り付け、シーリング目地を設ける。
⑨ 建具上部は、10mm程度の隙間をあけてシーリング工事を行い、雨水の排出路を設ける場合の位置等は、特記による。
(b) くぎ留め
① くぎ留め工法によるサイディングは、厚さ14mm以上とし、サイディング幅455mmに対して両端部及び中央部3本の釘で留め付けることを標準とし、かつ、サイディング端部から20~35mmの位置に留め付ける。
② サイディングの下端は、土台水切りから10~15mmの隙間をあけて施工する。
③ 縦張りサイディングの上下接合部は、中間水切りを使用し、10mm程度の隙間をあけてサイディングを施工する。
④ 出隅部、入隅部は、出隅入隅役物及びサイディングをサイディング製造所の仕様に従って取り付ける。
⑤ 建具上部は、10mm程度の隙間をあけてシーリング工事を行い、雨水の排出路を設ける場合の位置等は、特記による。
(c) 換気口部の防水措置は、特記による。
特記がなければ、次による。
① 換気口部は、パイプ受けを室内外の間柱等に固定し、間に断熱材を設置した後、外部に透湿防水シートを取り付け、パイプ受けのフランジ外周15mm程度の位置で防水紙を四角に切り取り、断熱材をパイプ受け孔にあわせ開口する。
② パイプ受けと透湿防水シートを片面粘着防水テープで接合し、接続パイプを取り付け、片面粘着テープで、フランジと接続パイプを圧着し接合する。
③ 接続パイプとサイディングの接合は通気用胴縁を設置後、パイプ回りにシーリングのバックアップ材を取り付け、サイディングをパイプ回りに10mm程度のシーリング幅を確保して設置し、シーリング処理を行う。
④ 換気口、接続パイプ及びパイプ受けは、特記による。
特記がなければ、接続パイプはJIS K 6741 (硬質ポリ塩化ビニル管) とし、パイプ受けは、接続パイプに適合した既製品とする。
(d) とい受金物の取付けは、柱・間柱上で胴縁などの下地がある場所で、かつ、サイディング目地及びシーリング目地部、サイディングの目地を避けた位置に先孔をあけて金物を打ち込む。
また、とい受金物を打ち込んだサイディング周囲は、シーリング材を充填する。
(エ) 金具留め工法の場合で、建築基準法施行令第87条に定めるVoが42m/sを超える地域での補強方法は、特記による。
(オ) 現場塗装用サイディングで現場塗装を行う場合の下地処理及び仕上げは、特記による。
(カ) シーリングは、次による。
(a) シーリング材の目地寸法は、特記による。
特記がなければ、幅10mm程度、深さ5mm以上とする。
ただし、60分準耐火性能仕様の場合の幅は10mm以下とする。
(b) (a)以外は、11章3節[シーリング]による。
20.3.3 複合金属サイディング工事
(1) 材料
(ア) サイディングは、JIS A 6711 (複合金属サイディング) に基づき、その種類、形状、有効幅、長さ、厚さ、表面材・しん材の種別及び防火・耐火性能は、特記による。
(イ) 土台水切り、中間水切り、目地ジョイナー、見切縁、取付け金物、釘、スターターは、製造所の指定する製品とする。
(ウ) 接合材の材質、形状、寸法は、サイディング製造所の指定する製品とする。
(エ) 通気胴縁
(a) 樹種及び寸法は、特記による。
特記がなければ、樹種は杉とする。
(b) 防腐処理を行う場合は、特記による。
(オ) 透湿防水シート及び防水テープ
(a) 透湿防水シートは、11.4.2[材料](1) による。
(b) 両面粘着防水テープ及び片面粘着テープは、11.4.2 [材料](2)による。
(カ) シーリング材は、11.3.2[材料]による。
(2) 通気構法下地は、10.8.2[外壁通気構法下地]による。
(3) 複合金属サイディングの施工は、次による。
(ア) サイディングの張り方は、縦張り工法又は横張り工法とし、特記による。
(a) サイディングの取付け
① 土台水切り及びスターターは、水平器等により水平を確認して取り付ける。
② スターターの下端と水切りとの間に10~15mmの隙間を設ける。
③ 縦張り工法の縦継ぎ部分には、水切りを使用する。
④ 横張り工法の横継ぎ部は、ジョイナー下部材を胴縁に固定し、サイディングを取り付け、ジョイナー上部材でサイディングを抑える。
⑤ 軒部分及び開口部回りには、見切縁を使用する。
⑥ サイディング等の留付け材料及び留付け方法は、各製造所の仕様による。
(b) 換気口部の措置は、20.3.2(3)(ウ)(c)による。
(c) とい受金物の取付けは、20.3.2(3)(ウ)(d)による。
(イ) シーリングは、11章3節[シーリング]による。
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